STEM教育から見る、子ども向け3Dプリンタの洋書の紹介 ”Cutting-Edge 3D Pringting”

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日本でも3Dプリンタを趣味で使う人が増え、3Dプリンタの体験ができる親子教室など、3Dプリンタが少しずつ浸透してきています。

Amazonで3Dプリンタを簡単に購入できるようになりましたよね。

それでは、『MAKERS』発祥の地アメリカでは、子どもにどのように3Dプリンタを教えているのでしょうか?

最新のキッズ向け3Dプリンタの洋書を読んでみましたので、ご紹介します。

Cutting-Edge 3D Printing

邦訳をつけるとしたら『最先端の3Dプリンティング』でしょうか。

わずか32ページ。中学英語で1時間もかからずに読み終えることのできる薄さです。

2018年8月に出版された本です。

少ないページ数に、子どもがイメージしやすいように写真やコラムがちりばめられていて、とても読みやすい構成でした。

 

本の構成

1 What is 3D printing ?

2 How 3D printing works ?

3 Making Printed Objects

4 What’s Next for 3D printing ?

 

アメリカでは子どもにどのように3Dプリンタを教えているのでしょう?

早速みていきましょう。

1章:What is 3D printing ?(3Dプリンティングってなあに?)

「ピザ、スパナ、エレキギター、人間の耳に共通するものはなあに?」

1章はこの一文ではじまります。

本のタイトルから答えはおわかりですよね。「みんな3Dプリンタで作れる」です。

君の望むものがデータから形になる

君のアイディアが手にとることのできる形になる

3Dプリンタによってものづくりが変わりつつある

というわくわくするくだりとともに、2030年以降の宇宙飛行でBeeHex社ピザ用3Dプリンタが使われるだろうと書かれています。

2章:How 3D printing works ?(どうやって3Dプリントするの?)

2章には3Dプリンタの歴史について、チャールズ・ハル氏の功績から、3Dプリンタが産業から個人による利用に移行してきたことが書かれています。

そして、3Dプリンティングのおおまかな流れとして、

①モデルをデザインする

②スライスする

③プリントする

と説明があるのですが、この中で、CADとCAMの説明がわかりやすいと感じました。

CADとは、3Dプリントするモデルを設計するもの。

CAMとは、CADデータをどのように造形するかコンピュータに指示するインストラクター。

つまり、CADでデザインされたものは、ひとかたまりのデータ。CADデータをコンピュータに渡して、「はい、造形してね」といったところで、コンピュータはどこから手をつけていいかわかりません。

そこで、CAMがインストラクターとなって、造形しやすいようにデータを輪切りにして、コンピュータに「ここでプリントヘッドを動かせ!今材料を押し出せ!」と指示を出す、ということですね。

恥ずかしながら私はこの本で初めて「CAM」について知りました。わかりやすい説明でCAMのイメージがすんなり頭に入りました。

3章:Making Printed Objects(3Dプリンタで作られたものたち)

3章では、人間の耳、骨モデルの造形事例が紹介されています。

頭部が結合している1歳の双子の子どもの分離手術で、医師が手術でどの部分を切断すべきか確認するために、子どもの頭部を3Dプリンタでモデリングする技術が使われています。

また、小耳症という先天的な耳の疾患をかかえる子どもに対し、耳をプリントする研究も紹介されています。中国で実際に小耳症の子ども5人に3Dプリントした耳を移植し、再建に成功した事例もありますね。

3Dプリンタで作れるものとしてすぐに想像できるものではなく、医療での応用について触れられている点が印象的でした。頭部結合児、小耳症での応用は、どちらも人に貢献できる発明ですよね。

子どもが3Dプリンタについて学ぶ時に、アメリカで最初に選ばれると思われる本に、このような医療での応用事例が載っているーー日本の書籍ではあまり考えられない気がしました。

アメリカでベンチャー企業が生まれやすい背景には、子どものころに読む本も関係していそうですね。

4章:What’s Next for 3D printing ?(3Dプリンティングの今後)

ここまでくると、今後はどんなものが作れるようになるだろう?と想像しますよね。

アディダスの3Dプリントしたシューズ、

フォードによる車の3Dプリンティング、

そして、月の粉塵を利用して月面基地を3DプリントするESA(欧州宇宙機関)の計画も紹介されています。

また、国際宇宙ステーション(ISS)の、宇宙空間にあるものをリサイクルして、別のものを作る3Dプリンタも紹介されています。これはおそらく最近ニュースになった「リファブリケーター」というリサイクル用3Dプリンタのことではないかと思います。地球から宇宙で運ぶ物資を減らし、宇宙でリサイクルすれば、物流コストを大きく削減できますよね。

このほか、

腎臓、心臓といった臓器を作製する研究に加え、

飛行機全体を3Dプリントしたいというエアバスの野望で締めくくられています。

この本は子どもにお勧め

私の子どもは4歳で、まだ英語を勉強していません。

小学生でどれくらい英語を読めるのかわかりませんが、中学英語の基本を勉強されているのであれば、お子さんの英語教材として小学生、中学生にもおすすめです。

簡単な用語で、わかりやすい表現で書かれているので、抵抗なく読めると思います。

別のCutting-Edge bookシリーズも気になる

3Dプリンタを扱っているという理由でこの本を購入しましたが、Cutting-Edgeシリーズには他にも以下のテーマがあります。

人工知能
拡張現実
Computing with raspberry pi
ロボット工学
仮想現実

アメリカで子ども向けに人工知能などがどのように紹介されているか気になるところです。

他のCutting-Edgeシリーズを購入しましたら、またご紹介しますね。

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