親の勧めで薬学部に決める前に知っておくべきこと【元薬学生の本音】

こんにちは、あゆみです。

私は薬学部がまだ4年制のみだったころ、東京理科大学薬学部に入学しました。現在はフリーランスで翻訳をしています。以前は薬剤師の仕事や、CROで働いていました。

今回の記事は、親から薬学部に進むことを勧められた受験生に向けて書いています。

薬学部は入るのは簡単ですが、入学したら卒業まで勉強漬けの毎日です。勉強漬け進級しにくい卒業しにくい三重苦が待っています。私は実習辛い四重苦でした。

 

親に勧められたからという理由で、よく考えずに薬学部を選んだことを後悔しています。

入学後に後悔する人は少なくありません。私もそうでした。

この記事は3分で読めます。読んだ後、薬学部があなたにとって本当にベストな選択なのか、ヒントになるはずです。あなたの人生です。自分で決めましょう。

 

親の勧めで薬学部を選ぶべきでない理由は2つ

 

理由は2つあります。

薬学部は想像以上に地獄だから

自分で選択しないと後で倍の後悔が待っているから

 

薬学部は想像以上に地獄という、あまり知られていない事実

「ちょっと理系に興味がある」

「薬がどう効くか興味がある」

 

そんな気持ちをぶった切ってくれるのが薬学部です。

親はこういうでしょう。

・薬学部にいけば安泰だよ

・資格をとっておけば仕事に困らないでしょ

・結婚にも有利なんじゃない?

 

確かに、仕事には(しばらくの間は)困らないと思います。

新卒で月収30万円も可能です。

ですが、「仕事に困らない」「安泰だから」は薬学部を選ぶ理由にしないことをおすすめします。

私は同じ理由で薬学部を選び、卒業まで後悔しました。

 

私は親の勧めではなく、自分で薬学部を選択したのに、です。

具体的には、保険として「薬学部」を選びました。

本命には合格せず、薬学部しか受からなかったので、自動的に薬学部へ。1浪して、いい加減、受験生活とサヨナラしたくなっていました。

薬学部入学を決めたのは、上記の「将来仕事に困らない」という理由です。

当時の私の気持ち👇

「少し理系に興味はある。まあ、面白そう。だけど、薬剤師を一生やるつもりはない。やりたいことの軍資金を得るために、薬剤師の資格をとって、卒業後数年だけ働こうかな。やっぱり資格があると安心だし」

 

このように考えていました。

1ヵ月後、大学を辞めたいと真剣に悩み始めます。

生半可な気持ちで薬学部を選んだ私を待っていたのは、想像していたのとは全く違う大学生活でした。

薬学部が地獄である5つの理由

※ここでいう地獄とは、「薬学部を辞めたい」と感じる人から見たものです。薬学が大好きな人にとっては「天国」です。

しかし、入学前にあなたが目指している場所が、果たして地獄なのか天国なのか、判断が難しい可能性があります。最後まで読めばヒントになるはずです。

 

薬学部が地獄である5つの理由

①自由な時間があまりとれない

②勉強が嫌になっても、学部の勉強がそれを許さない

③進級するのが大変

④ほかのものに没頭しにくい環境

⑤卒業するのが大変

 

※以下に書くことは、4年制時代の経験に基づくものです。また、大学によって事情は異なります。
もしかしたら、6年制の今の方が、入学後の負荷は大きいかもしれません。

①自由な時間があまりとれない

1年時から、平日にバイトする時間はあまりとれません。私は週1~2日くらいでした。

1年生から、専門講義がぎっしり詰まっているからです。まとまったバイトができるのは週末や長期休みのときくらいです。

文系学部に進んだ友人の話に耳を疑うことしばしば。

②勉強が嫌になっても、学部の勉強がそれを許さない

教養科目はほとんどありません。大学1年の前期に少しあるだけでした。

1年前期から専門講義が始まります。大学受験の化学を軽く超える内容が、一気に始まります。進行が早いので、勉強が嫌になっても、息つく暇はありません。

さらに、入学翌週から実習が始まり、20時までかかることもしばしば。

実習は週1~2日あるのが常で、毎週レポート作成に追われます。たいてい夜中までかけてレポート作成して・・・という感じでした。翌日には次の実習が待っています。

試験でない期間でこれが当たり前です。これが数年続きます。

 

③進級するのが大変

薬学部では毎年、進級できるかどうかが試験で決まります。

合格しやすい試験はほとんどありません。私は毎回、徹夜していました。

 

④ほかのものに没頭しにくい環境

大学の勉強がつまらない場合、ほかに楽しみを求めたくなります。

しかし、上記の通り、その時間をとることが難しいです。

私は精神的にきつかったので、授業を限界まで欠席し、時間を作ることにしました。大学2年、3年は真面目に授業に出ることをやめ、その分のしわ寄せを試験前に徹夜で埋めていました。

 

⑤卒業するのが大変

大学によってカリキュラムは異なりますが、ほぼ共通して卒業するのが大変です。

卒業試験は国家試験より難しく設定され、ほとんどの学生が1次試験で落とされます。

これは国試の合格率を上げるためです。

卒業試験にパスできない=留年=国試の合格率が下がらずにすむ。

 

裏にある意図はこれですね。

薬剤師国家試験は合格率が高いため、「合格しやすい」と言われますが、実際は簡単ではありません。

私は、「国試に合格できるだろうか?」よりも、「卒業できるだろうか?」という不安をさんざん味わいました。大学受験でも味わわなかった人生初の胃痛もこの時に経験しました。

 

自分で選択しないと後で倍の後悔が待っている

親の勧めではなく、自分で決めるべき理由は、これに尽きます。

決断は自分でするべき

 

自分で決断しても、私のように後悔することは考えられます。

ですが、他人のアドバイスで進路を決めた場合、後で倍以上の後悔が待っています。

 

親や教師の勧めがきっかけで興味を持った

親の強い勧めで半ば強制的に決めた

 

このような場合、入学後に多大な犠牲を払う可能性があります。

犠牲とは、時間とお金です。場合によっては、健康を害することもあります。私の周囲には、入学後、精神を病んだ学生がいました。

もし親や教師の勧めで薬学部進学を考えるなら、上記で書いた薬学生の実態について、現役薬学生に話をきくことをおすすめします。

知り合いがいなくても問題ありません。

薬学部のキャンパスに行って、キャンパスを歩いている学生に声をかけて聞けば、入学後に感じたことや授業の難しさなど、一番リアルな話が聞けるはずです。

テキストがどれだけ分厚いか、実習がどんな感じか、聞いてみるといいです。

親が強く勧めており、判断に迷っている状況であれば、これくらいはした方がいいです。

 

大学生活の6年を後悔しながら過ごすのがいいか、

いま少し恥ずかしい思いをしても、後悔のない選択をするのがいいか、

 

よく考えることをお勧めします。

もちろん自分で選択した場合も、私のように後悔しながら大学生活を送る可能性はあります。

私自身、当時とても辛かった経験から、これから進路を決める方は、薬学部に決めるにせよ、できる限りたくさんの判断材料を集めたうえで決めていただきたいです。

もし知らない大学生に話しかけるのことに気が引ける場合は、現在は6年制の薬学部を出た方がYouTubeやブログをやっていますので、それを参考にするのもいいと思います。

 

この記事のまとめと補足

要点をまとめます。

【親の勧めで薬学部を選ぼうか迷っている方向けのアドバイス】

薬学部での勉強は想像以上に大変なので、十分に事前調査するべき

判断材料を集めて、よく検討してから決めるべき

できれば、現役薬学生に話を聞くべき

 

最後に補足です。

記事の中で「後悔」と書きました。

では、私がいま、薬学生に戻れたとしたらどうするかというと、環境を存分に利用すると思います。

当時のように、「勉強がつまらない」「ついていくのが大変」など愚痴ったりはしないと思います。

このように思えるようになったのは、本当の学びは楽しいものだと、ずいぶん後になって気づいたからです。

ですので、すべての人にとって薬学部が地獄というわけではありません。

よく考えずに選択すると、地獄が待っていますよ、というお話でした。

 

👇すでに薬学部に在籍していて苦しんでいる方はこちらの記事がヒントになると思います。