CRAは担当病院のスタッフからひどい扱いを受けるの?【経験から対策方法まで紹介します】

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CRA(臨床開発モニター)が病院の治験スタッフ(治験責任医師や、CRC、治験事務局など)からぞんざいな扱いを受ける心配はありませんか?

 

今回はこの質問に回答します。

この記事を書いている私は、大手CROでCRAとして勤務した経験があります。

今CRAをしていて担当病院に行くのが辛い方、これからCRAに転職する方に参考になると思います。

※この記事は3分で読めます。しばらくお付き合いください。



CRAは病院側のスタッフからひどい扱いを受けるの?

【こたえ】

ひどい扱いを受けることはまれです。(聞いたことはありません)

当たりはずれは病院によります。

 

私は10人くらいのプロジェクトチームに所属していましたが、ひどい扱いを受けているCRAはいませんでした。

担当病院に癖のあるスタッフがいることもありますが、仕事を続けられないほどではありません。

 

ひどい扱いを受けたと思うかどうかはその人次第ともいえます。

たとえば、次の例を見たとき、どのように感じますか?

※こんなことが日常的にあっても、自分は平気?という基準でお読みください。

✔具体例①

スタートしたばかりの治験。

治験を開始するにあたり、実施医療機関に提出資料一式を担当病院に送ったAさん。

資料は多く、段ボール数個。

1つ1つのチェックに追われていたAさん、肝心の治験依頼書をうっかり同封し忘れてしまいました。

 

翌日、治験依頼書を送り忘れていたことに気づいたAさんは、あわてて病院の担当CRCに電話。

 

「大変申し訳ございません。治験依頼書を同封するのを忘れてしまいまして・・・」

“至急、送付いたします”といおうとしたところ、

「知らんわ!」

というCRCの怒鳴り声にAさんはすっかりおびえてしまいました。

 

それから20分ほどお叱りを受け、電話を置いたAさん。

急いで送付すれば十分間に合う治験依頼書。なぜこれほど怒られるのだろうか。「わかりました。送ってください」ですむと思ったのに・・・・。

 

上記で登場したCRCさんの対応、あなたはひどいと思われるでしょうか。それとも、書類を入れ忘れたAが悪いと、思われるでしょうか。

もう1つ、具体例をお示しします。

 

✔具体例②

担当病院でいよいよ治験がスタート。

IRB用資料一式を段ボール2個に詰め、担当病院へ発送。

翌日、Bさんに担当病院のCRCから電話がありました。

 

「あのなあ、昨日送ってくれた段ボールやけど、雨で少し濡れてしもうたみたいで、一部へこんでいるんやけど、これ、大丈夫やろか?私には何とも判断できへんし、開けていいものかどうか・・・・。誰かがもしかしたら穴から何かを入れたかもしれへんし・・・。Bさん、ちょっと来て、中が問題ないかみてくれる?」

 

Bさん、頭の中が「???」になりながらも、「しょ、承知いたしました。明日参りますので、少しお待ちいただけますでしょうか」と電話を置きました。

Bさんの担当病院は新幹線で2時間の場所。

翌日、新幹線で病院に向かったBさんが見たものは、少しだけへこんだだけの、問題ない段ボールでした。

 

上記でご紹介した2つのエピソード。

どちらも私が体験したものです。

CRAとして初めて配属されたプロジェクトで、初めて担当した施設の1つでした。

プロジェクトの中で、私が最も大変な施設に当たった、と周囲からは思われていました。上司の心配そうな眼差しを覚えています。

私も、「困ったな。ど、ど、どうしよう」と悩んだこともありました。

最終的に私は上記のCRCさんと仲良くなれました。

仲良くなれた秘訣は後述しますが、上記エピソードは、その病院を担当したCRAの誰もが通過しなければならない「洗礼」だったことを後で知りました。

つまり、CRAいじめでした。

私が退職時、このCRCさんが新しいCRAについて、「いじめてやるぞ、いじめてやるぞ」と言っていたからです(笑)。

 

その後のCRCさんとの関係

いじめを乗り越えた後は、CRCさんの態度は180度変わりました。最後のお別れ時には、プレゼントもいただきました。

私はCRCさんのいじめを乗り越えたので、先方から合格をもらえたのかなと思います。

最初はとんでもない病院を受け持ってしまった!と焦りましたが、その後はストレスなく、楽しく仕事できました。

私の経験事例は、ちょっとマイナーだと思います。

同じような経験をした話は聞いたことはありません。

ですので、病院側のスタッフからぞんざいな扱いを受ける可能性はゼロではありませんが、そんなに心配しなくて大丈夫だと思います。ぞんざいな扱いを受けるとしても、おそらくCRCさんくらいです。

医師は治験成績をあげたいので、逆に協力的なはずです(あくまで私の考えです)。

次に、私がいじめっこCRCさんとどう関係を築いていったかをお伝えします。

今、CRAをしていてメンタルが辛い方、これからCRAになりたいけど不安な方に参考になると思います。



担当病院に行くのが辛い時に効果があった2つの対策

上記で書いた病院への出張は月4回ほどありました。最初の頃は、CRCさんの顔を見るのが怖かったです。

私がやった対策は次のとおり。

相手を好きになること(嫌わないこと)。

自己暗示をかけて、相手の良いところを無理やり見つけること。

 

好きになれるわけないじゃん!と思われますよね。

でも、「好きになる努力をすべき」、少なくとも「嫌いにならない努力をすべき」が私の主張です。

なぜなら、CRAが治験を進めていくうえで、CRCの協力なしでは進められないからです。

好きになるのは無理という場合は、せめて心の中でも相手の悪口を言わないことです。

考えていることは表に出てしまいますので、「腹立つ」「ありえない」なども考えないようにしました。

CRCの協力なしでは、医師のアポイントを取ることもできない可能性があります。

いじめられていても、割り切って、大人になりましょう、ということです。

※いじめられる事例は少ないのでご安心を。

 

では、具体的な方法をお伝えします。

いじめられたり、怒鳴られたりすると、最初のころは、「いやだなあ」「怖いなあ」という気持ちに支配されがちです。

次のように自分に暗示をかけました。

Cさんって、ちょっとぽっちゃりしているし、怖いところもあるけど、笑うと結構愛嬌あるよね。

Cさんって、つんつんしているけど、本当はぬいぐるみ好きなんじゃないかな。意外と「女子」だったりして。

 

無理やり感ありますけど、CRC室をノックする前は、毎回5分ほどつかって上記の自己暗示をしていました。

あと、繰り返しですが、「むかつく」などの感情をいだかないようにしました。これも効果がありました。

なぜここまでしたのか?

理由は2つあります。

繰り返しですが、

✔1つ目の理由:CRAにとって仕事で最も大事な相手はCRCだから。

 

医師に直接メールでアポイントを取れる病院もありますが、CRCを経由しなければアポイントを取れない病院もあります。この病院は後者でした。

また、被験者がエントリーしたあとは、SDV(カルテ(原資料)とCRF(症例報告書)とで整合性があるか確認する)のため、月数回、病院に行きます。

SDVでは毎回、CRCさんとのやりとりが発生します。

繰り返しですが、CRAが治験を円滑に進めるうえで、CRCの協力は不可欠なのです。

CRCはCRAの恋人だと言われるのはそのためです。

 

✔2つ目の理由:相手を嫌に思う気持ちは伝わりやすいから。

➡それによりCRCの協力を得られず、苦労するのは自分

 

相手が自分に興味がないことや、好感を持っていないかどうかって、伝わってきますよね。

同様に、CRAがCRCにネガティブな感情を持っている場合、気を付けないと相手に伝わってしまいます。

すると、治験の業務全体に影響が出てしまいます。まわりまわって、首を絞められるのは自分ということです。

もし、いじめたばかりのCRAがとびきりの笑顔であいさつしてきたらどうでしょうか。少し印象がよくなりますよね。

自己暗示に加えて、無理やり作った笑顔でも、笑うと自分の感情をコントロールできます。

自己暗示と無理やり笑顔を続けていたところ、自然とCRCさんの態度が優しくなっていきました。

この経験を通じて、CRAに最も必要なのはメンタル力だな、と思いました。



CRAで身につく7つのスキル

メンタルの強さ

細かい作業を正確に遂行する力

語学力

プレゼン力・資料作成スキル

ビジネスの基本マナー

コミュニケーション力

体力

 

それぞれのスキルを3行以内で解説します。

✔メンタルの強さ

上記事例のとおりです。

 

✔細かい作業を正確に遂行する力

契約書や重要書類を作成・チェックする仕事が多いです。

紛失できない重要書類ばかりですので、管理能力も求められます。

 

✔語学力

国際共同治験を担当すると、業務の一環で翻訳することも。同意説明文書を英訳したことがあります。

ベンダーに英語で電話することがありました。ちなみに、モニタリング報告書も英語でした。

 

✔プレゼン力・資料作成スキル

スタートしたばかりの治験では、スタートアップミーティングがあります。医師、CRC、薬剤部、治験事務局など関係者40名ほどにプレゼンしました。

社内会議で学会報告や、担当プロジェクトの紹介プレゼンなどがありますので、積極的に機会を利用して、プレゼンスキルを身に着けられます。

 

✔ビジネスの基本マナー

ビジネスメール、名刺交換、アポイントの取り方など、基本的なビジネススキルを学べます。

 

✔コミュニケーション力

病院の治験関係者、特にCRCと良い関係を築けなければ仕事が進まないのは前半で書いたとおりです。

 

✔体力

担当病院にもよりますが、月の1/3~半分が出張ですので、体力が必要です。

 

これに加えて、医学知識。

CRAを経験すると、なんだか最強になれる気がしませんか?

私がもっとも良かったと思うのは、いじめっこCRCさんとの出会いです。



いじめられて気づいた宝

メンタル力が鍛えられました。

社会人になって、あれほど怒られたことはなかったと思います(苦笑)。

電話でもよく、1回あたり30分以上お叱りを受けていました。

メンタル力が谷底まで落ちていたとき、複数の同僚から意外なことを言われました。

あなたってポジティブだよね。

 

上司からも

いや~あの施設、君に任せてよかったよ

 

実はそれまで、自分のことをネガティブな人間だと思い込んでいました。

いじめっこCRCさんのおかげで、意外とポジティブだったことに気づけたのです。複数の人から言われて初めて気づきました。

この経験値は貴重です。

ですので、病院側のスタッフからぞんざいな扱いを受ける可能性を心配するよりも、ぞんざいな扱いを受けたら、それを自分の経験値にしてしまいましょう。

死にたいほど病んでしまうケースは無理しないでほしいですが、たいていの場合は、自己暗示と飛び切り笑顔で乗り切れるかもしれませんよ。

少しがんばった先に、ちょっと成長した自分がいるはずです。

 

いじめられたりいろいろありましたが、CRAは会社員として経験した仕事のなかで最も楽しかったです(現在はフリーランスで翻訳をしています)。

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