CRAに向いているのは精神的にタフな人【元CRAの経験より】

CRAの頻繁な出張につかれた。依頼者からの指示なのに、担当施設のCRCにお願いをすると嫌な顔をされるし、板ばさみがキツイ…。

出張行くのが憂鬱。土日も会社の携帯を手放せないし、人間関係につかれてきた。

CRAに向いていないのかもしれない…。

 

今回はこの悩みを持つ方に向けて書いています。

わたしは以前、CROでCRA(臨床開発モニター)の仕事をしていました。

担当していたのは国際共同治験でした。SAEが頻繁に発生し、残業も多く、激務で帯状疱疹を発症することもありました。

この記事を読むとわかること

●CRAの向き・不向きがわかる

●CRAを続けるべきかわかる

さっそく見ていきましょう。

 

CRAに向いているのは精神的にタフな人

わたしがCRAを経験して思う、CRAに向いている人とは、

精神的・体力的にタフな人です。

 

特に、精神的に太いことが一番大切です。

 

CRAは、医師、看護師、薬剤部部長、治験事務局、依頼者などたくさんの人に接するからです。

相手が違えば、異なる対応を求められますし、神経を使います。

担当施設が3施設の場合、その数は3倍です。担当する施設数だけ、気を遣うことが増えていきます。

 

協力的な施設であればスムーズにいきますが、依頼者の指示を伝えても、理解してもらうのに労力のかかる施設もあります。

わたしがCRAをしていた時、病院からの電話が30分、1時間かかることもありました。電話で怒鳴られて切られたこともあります。

CRAをしていて一番しんどかったのは、体力面よりも精神面でした。

 

そのあたりの話はこちらに書いています。

 

CRAのもう1つの特徴は、とにかく忙しいこと。

SAEが発生したら、すぐに出張に行かなければならず、フットワークの軽さが求められます。

月の半分近くは出張、内勤の日には大量の書類を処理。

書類は、「絶対に紛失してはならない」重要な治験文書。新幹線で出張から帰るときも、書類を紛失しないよう、常に神経を使います

加えて、土日もかかってくるSAE発生の電話

退社後のプライベートの時間でも、テーブルに置いてある仕事の携帯から目を離せません。

 

 外勤でうまくストレス発散できればいいですが、担当施設のスタッフに接することがストレスの場合、出張の度に気が重くなるばかりです。

 

悲しいことに、CRAの仕事は世間で認知されておらず、友人、恋人、家族に話してもほぼ理解してもらえません

説明の度に、「GCPは…」「治験とは…」とわかりやすく説明しても、空回りすることしばしば

同僚以外には仕事の愚痴をわかってもらえないのもCRAの特徴です。

人付き合いが上手=CRAに向いているとは限らない

接する人の数が多いのがCRAの特徴ですが、

「人付き合いが上手」イコール「CRAが向いている」

ではありません!

 

人付き合いの上手さよりも、

●伝えるべきことを正確に伝える力

●怒られても上手に受け流せるタフさが求められます。

 

病院のCRCさんは他の業務もある中で、CRAとのやりとりに時間を割いています。

CRAの説明に不足があったり、正確に伝えきれていなかったりする場合、苦言を言われることがあります(CRCさんは忙しいので当然といえば当然…)。

依頼者からの指示を担当施設に理解してもらうには、CRAがきちんと伝えなければなりません。

 

この時に必要なのは、人付き合いの上手さよりも、辛抱強く伝え、自分の気持ちをうまく処理することなんですよね。

CROにいたとき、社交的でなんでもそつなくこなせるタイプでも、施設対応でつまずき、1年ほどで退職した同僚がいました。

一方、「人付き合いが苦手」なわたしは、施設のCRCさんから散々怒られましたが、これが原因で辞めるには至りませんでした。

 

わたしの経験から、

対人関係のストレスにうまく対処できるかどうかが、CRAを続けるうえで重要な要素となります。

もし、現在CRAをされていて、次の項目にほとんどあてはまる場合は、CRAを続けるかどうか考えた方がいいと思います。

 

□ 担当施設のスタッフに会うのがストレス

□ 友人、恋人、家族に仕事内容を話しても理解されないのが辛い

□ 依頼者の指示を担当施設に伝え、動いてもらうのが毎回大変

□ 子どもを出産したい

□ 残業が50時間以上

□ 医師のアポ取りでダブルブッキングをしてしまった

 

CRAが向いていないと思ったら

続けることを優先するよりも、自分の気持ちに耳を傾けてみてください。

 

無理に続けると、ストレスで精神的に病んでしまいます。

繰り返しですが、わたしがいたCROには心を病んでしまった同僚がいました。

 

そもそも、CRAは長く続けることが体力的にかなり難しい仕事です。

わたしは2年半、CRAを経験しましたが、残業が多く、休日出勤もありましたので、30後半を過ぎても働ける仕事だとは思えませんでした。

 

(当時の気持ち)「この仕事、30後半だったら体力的に無理!」

 

「将来性はあるけれど、長く続けられない」のも、転職に踏み切った理由でした。

当時、転職したことで今につながっているので、思い切って転職してよかったです。

 

特に女性の場合、子どもを生むと、外勤の予定を入れられません。会社の就労制度がよほど手厚くない限り、出産後もCRAを続けるのはほぼ不可能です。

定年まで働く仕事としては現実的な選択ではありませんし、ほかに選択肢はあるので、CRAに固執するのはもったいないです。

 

たとえば、

●人間関係の少ない仕事

●外勤の少ない仕事

 

を希望する場合は、

薬剤師資格を持っていたら薬局勤務もありですし、それ以外の仕事ではエンジニアなど人と接しない異業種もありですよね。

 

わたしもCRAを辞めて、別業界に転職しました。

ですので、無理して続けるより、自分の気持ちにも耳を傾けてみてください。

転職を考えたときに現状維持ではなく行動がおすすめな理由は、わたしの経験や失敗をもとにこちらに書いてあります。

薬剤師のときのお話も含まれますが、参考になるはずです。

 

 

転職を選ぶ場合、辞めるタイミングがとても重要であることを覚えておいてください。

これはCRA特有のタイミングです。

辞めるタイミングを間違えると、いざ転職しようと思ったときに身動きとれなくなってしまいます。

最悪の場合、ストレスフルな状態で、CRAを続けるはめになります。

そのあたりの話はこちらに書いてありますので、参考にしてみてください。

 

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