3Dプリンタ製リボソームでバイオを学ぶ

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バイオ分野について学ぶとき、なかなか構造をイメージしづらいことありますよね。

今回は3Dプリンタを活用して、細胞とリボソームの模型をつくってみました。

苦手意識のある遺伝子分野を強化していくうえで、3Dプリンタは理解の助けになりそうです。

自宅で「細胞」をプリントしてみた

これは動物細胞です。植物細胞もプリントして違いを学ぶのもよさそうですよね。

白いフィラメントで印刷し、油性マーカーで色分けしました。教科書のように細部にいたるまで再現するのは難しいですが、この手に取って部位を確認できるのは格別です。

マーカーで色分けするのも記憶に残りやすくなりそうです。各部位の名称はこんな感じ。

今回は立体細胞模型には登場していませんが、リボソームに注目します。

リボソームの役割・構造

リボソームは教科書にある細胞の構造では、「・」と「点」で描かれていますよね。実際は、大型で複雑な構造体です。

なぜ大型で複雑化というと、タンパク質を合成するという大きな役割を担っているからなんですよね。リボソームの構造を調べるだけでも興味深いです。

リボソームは、4種類のRNAと80種類以上のタンパク質からなり、原核細胞の場合、30Sと50Sというサブユニットから構成されます。4種類のRNAと80種類以上のタンパク質と聞いて、ほとんどがタンパク質なのかと思いました。実際は、3分の1がタンパク質(リボソームタンパク)、3分の2がrRNAでできています。つまり、ほとんどがrRNAということ。rRNAとは、リボソームを構成するRNAのことで、細菌の場合、大きさによって23S rRNA、16S rRNA、5S rRNAに分類されます。

30Sと50Sのイメージはこんな感じ↓。3種類のrRNAも示されています。

出典:http://www.dojindo.co.jp/letterj/124/review/01.html

ここでタンパク質の合成が行われるんですよね。だいぶイメージしやすくなりました。

真ん中にみえるtRNA(青枠)が、コドン(CUCなどのRNAの連続した3個のヌクレオチド)とアミノ酸を識別して、それぞれを結合します。tRNAの介在がなければ、mRNAはアミノ酸を識別できません。つまりお見合いですね。今風に言うと、tRNAは婚活アドバイザでしょうか。

図解するとこんな感じ↓。

https://sites.google.com/site/proteinsynthesistranslation/home/termsを引用、加工

リボソームのサブユニットについて

最初、30S、50Sときいてピンときませんでした。

要するに、2段アイスクリームですよね。

30Sの中でmRNAが読み込まれ、50Sの中でアミノ酸が連結していきます。先ほどの画像と照らし合わせるとわかりやすくなりました。

ここで、「S」というのは、超遠心機で沈降速度を表すSvedbergのことで、重さ形状に影響を受けます。30Sと50Sを足すと、80Sかと思ってしまいますが、結合したリボソームは形状が変化するため、70Sになります。

リボソームにはA部位、P部位、E部位というtRNAが結合する3つの部位があります。tRNAはA、P、Eの3つの部位に同時に結合するのではなく、まずA部位に入って、A部位のmRNAのコドンと相補的な塩基対を形成していきます。

出典:Khan Academy

文字ではイメージしづらく、動画がわかりやすかったです。

リボソームの3分の2を占めるrRNAは折りたたまれた三次元構造になっています。リボソームの中心にはrRNAが位置し、リボソームタンパクはリボソームの表面にあり、折りたたまれたRNAのすきまや溝を埋めているようです。先ほど述べたA、P、Eの3つのtRNA結合部位もrRNAにあります。リボソームの主役はrRNAなんですね。

どれくらい複雑か、実際に立体モデルを作ってみました。

3Dプリンタでリボソームも造形

今回入手したデータは70Sリボソーム。原核細胞のリボソームですね。

データの入手先はおなじみのThingiverseです。私も早くバイオのモデリングができるようにならなければ。

Thingiverseの画像をみると、tRNAが入るトンネルらしきものが赤く示されていますね。ぜひこのトンネルを目にして、リボソームを身近に感じたいと思いました。

出典:Thingiverse

サイズを縮小して、1時間37分でプリントしました。

できあがったのがこちら。サポート材を取り除けるのか!?と不安になります。

サポート材除去後。

50Sと30Sのサブユニットにわけてみました(ちょっと強引な線引き)。

しかし、tRNAが通るトンネルが見つかりません。おそらく、サポート材が取り除ききれていないのでしょう。正直なところ、どれがリボソームでどれがサポート材か判断がつきません(汗)

FDM方式の限界なのか、出力サイズが小さすぎたのか。後者かもしれませんね。次回は時間がかかるのを覚悟で、大きめに印刷してみます。

まとめ

今回造形したリボソームは、誤ってティッシュを丸めたものと勘違いしそうなほど、小さいものでした。

tRNAの通り道を確認できませんでしたが、生命の構造を3Dプリンタで造形するのは、頭に残りますし、なによりとても面白いですね。いずれはモデリングも自由自在にできるようになりたいです。

再生医療を勉強するうえでも、遺伝子分野の理解は重要になりますので、ひきつづき勉強していきます。

【参考文献】

最初は羊土社の「基礎から学ぶ 遺伝子工学」を使っていましたが、情報が落とされているのが逆にわかりづらく、エッセンシャル細胞生物学を読んだところ、わかりやすくて感動しました。私が持っているのは第3版ですが・・・。

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