細胞培養でコンタミを防止するポイント(タカラバイオ社セミナーに参加して)

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タカラバイオ社主催の細胞培養セミナーに参加してきました。

無料とは信じがたい濃い内容でした。

このセミナーは、細胞培養を実際に行う方、これから行う方を対象としており、私は本当は対象外なのですが、参加させていただきました。

再生医療やバイオプリンティングの基礎の基礎にある細胞培養について、一度しっかり勉強しなくてはと思っていましたので、大変良い機会になりました。4万円の有料セミナーと言われてもおかしくない内容でした。

数回に分けて、参考になったことをまとめていきたいと思います。

クリーンベンチと安全キャビネットの違い

細胞培養について事前予習している時、クリーンベンチと安全キャビネットの違いについて混乱しそうでしたので、まとめました。

違いを考えるポイントは次の2点。

・守るべき対象→作業者か細胞か?

・気圧の高さ→中と外どちらが高いか?

 

違いをずばりいうと、次の通り。

安全キャビネットは外に出さない

クリーンベンチは中に入れない

安全キャビネット

安全キャビネットの役割を一言で言うと、汚染された空気を外に出さないことです。

そのため、中の気圧は外よりも低く設定されています。中の気圧が外より高いと、汚染物質が外に出てしまいます。安全キャビネットは、作業者の安全を守るものとも言えます。作業場を通過して汚染された空気はHEPAというフィルターを介してきれいに浄化されてから、外に出ていきます。

https://www.lamsys.com/biosafety_cabinets/class2/281-120

 

クリーンベンチ

クリーンベンチの役割を一言で言うと、外の汚染物質を侵入させないことです。

汚染物質を侵入させないように、中の気圧が外より高く設定されています。中の気圧が外より低いと、汚染物質が中に入ってきてしまいます。安全キャビネットが作業者の安全を守るものであるのに対し、クリーンベンチは細胞を守るためのものと言えます。

https://www.germfree.com/product-lines/pharmacy-equipment/laminar-airflow-workstations/bv-series/

 

クリーンベンチ内の器具配置で注意すべき2点

細胞培養をやる機会のない私にとって、セミナーで話されていた操作のヒントは、実際の操作をイメージする上でとても参考になりました。

これはクリーンベンチ内の培地瓶とディッシュの位置に関する問題です。他のマイクロピペットなどは省略しています。

この配置で改善できる点が2点があります。何でしょう?

 

答えはこちら。このように配置を変えます。

①培地瓶を右に、②ディッシュの位置を真ん中にずらしています。なぜでしょう?

答えはこちら。

①培地瓶を右にずらす理由

1つ目の例では、作業者の手が大切なディッシュの上を通過しており、衣服に付着した汚染物がディッシュに落ちる恐れがあります。作業者の動作線上にディッシュがない配置にして、大切なディッシュの上を手が通過しないようにします。

②ディッシュの位置を真ん中にずらす理由

ディッシュは一番大事なものなので、作業者の手前ではなく、ベンチ内の真ん中に置きます。

 

無菌操作のポイント-滅菌方法

作業開始時に、クリーンベンチ内にアルコールを吹きかけて消毒している動画を見たことがあります。タカラバイオ社によると、噴霧はお勧めしないとのこと。

噴霧の勢いによって、表面による菌を周囲に広げてしまう恐れがあるためです。

確実に菌を除去するために、噴霧ではなく、アルコールを湿らせたシートでふき取ることが推奨されていました。

 

無菌操作のポイント-手指の消毒

手指に付着した雑菌を落とすために、WHOから出されているガイドライン「WHO guidelines on hand hygiene in health care: a summary」が推奨されていました。

ガイドラインには消毒剤を使う場合、石鹸を使う場合の消毒の仕方が図解でわかりやすく書かれています。

消毒剤を使う場合

出典:WHO guidelines on hand hygiene in health care: a summary

 

石鹸を使う場合

出典:WHO guidelines on hand hygiene in health care: a summary

 

 

今回は、細胞培養でコンタミを防ぐための周知の方法は省略し、セミナーでなるほどと思った点をご紹介しました。

実は、別途開催のiPS細胞ワークショップ(iPS細胞のフィーダーフリー培養を体験できるワークショップ)にも申し込みましたが、こちらは実際に細胞培養をする方を対象としており、参加は認められませんでした。

一度、細胞培養のワークショップに参加してみたいものです。

👇こちらの本で事前予習して臨みました。

細胞培養入門ノート (無敵のバイオテクニカルシリーズ)

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