DNAとRNAの共通点・相違点を解説!

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これまでDNAの複製、修復という複雑な仕組みを勉強してきました。

さあ、ここからはDNAが持っている遺伝情報を活用するフェーズにはいっていきます。

その前に、今回はDNAとRNAが持つ共通点・相違点をまとめておきたいと思います。

DNAとRNAの共通点

DNAとRNAの共通点は、構造を観察するとわかりやすいです。

以下、対応するイラストごとに説明していきます(水色がポイントです)。

出典:ib.bioninja.com.au

 

  • DNAもRNAも五炭糖から構成されている
  • DNAもRNAもリン酸を含む
  • 構成塩基として、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)を持っている
  • DNAもRNAもヌクレオチドである
    ※ヌクレオチドとは、塩基と糖とリン酸基が結合した物質を言います。
  • 遺伝情報を保持している

 

上図の通り、DNAはデオキシリボース、RNAはリボースから構成されますが、どちらも五炭糖ですよね。

DNAは塩基としてアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、RNAは塩基としてアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、ウラシル(U)を持ちますね。

構成要素、構成塩基、全体像、保持している情報に着目すると、いろいろと共通点があることがわかります。

このほか、

ホスホジエステル結合をつくってヌクレオチドをつなぎ、糖-リン酸主鎖を形成する

 

ホスホジエステル結合というのは、ヌクレオチドとヌクレオチドを共有結合でつなぐ結合のことです。

下図で、リン酸を介したエステル結合によって炭素原子をつないでいる部分です(緑色)。

出典:https://www.sciencedirect.com/topics/neuroscience/dna-strand

 

糖-リン酸主鎖がわかりやすいのはこちら。赤枠の部分が糖-リン酸主鎖です。

出典:Studies on deoxyribonucleic acid based photonic materials and their applications

 

相補的な塩基対を形成する

 

上図で、鋳型DNAに対して相補的な塩基対を形成していますね。

RNAの場合、チミン(T)の代わりにウラシル(U)を持ちますが、UもAと水素結合をつくって対合しますので、RNAの場合も、相補的な塩基対を形成するという点では同じですね。

 

ポリメラーゼによって5’→3’方向に合成される

 

DNAとRNAでポリメラーゼの種類は異なりますが、合成方向が同じであるという共通点もあります。下図はRNAの合成方向を示しています。

出典:courses.lumenlearning.com

 

このほか、

変異する可能性がある

 

これもDNAとRNAどちらにもあてはまりますね。

箇条書きにしたのがこちら👇

 

では、次は相違点を見ていきましょう。

DNAとRNAの相違点

化学的な相違点

まず、化学的な違いから。これは前半で述べた通りです。

  • DNAの五炭糖はデオキシリボースだが、RNAはリボースである。
  • DNAは塩基としてアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、RNAは塩基としてアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、ウラシル(U)を持つ。

 

全体構造の相違点

DNAとRNAの化学的な違いは大きくありませんが、両者の全体構造は大きく異なります。

  • DNAは二重らせんとして存在するが、RNAは一本鎖で存在する
  • DNAは折りたたまれないが、RNAは折りたたまれる

 

RNAは一本鎖ですが、ある部分の塩基配列と、同じ分子内の別の相補的な塩基配列とで塩基対を形成し、三次元の折りたたみ構造を形成することがあります(下図右側)。

出典:courses.lumenlearning.com

 

このようにRNAが折りたたまれて三次元構造をとるために、機能面でも次のような違いがあります。

  • DNAは遺伝情報を永久保存するが、RNAは遺伝情報を一時的に保存する
  • DNAには情報を保存する機能しかないが、RNAは情報を保存する以外にも機能がある

 

また、ヒト染色体1本あたりのDNA分子は2億5000万塩基対になるものもありますが、RNAは数千塩基以下で、DNAが長いのに対し、RNAは短いのが特徴です。

DNAは長いが、RNAは短い

 

ポリメラーゼの相違点

DNAとRNAではありませんが、関連するものとして、DNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼの違いも見ておきます。

  • DNAポリメラーゼは、デオキシリボヌクレオチドを基質として使うのに対し、RNAポリメラーゼは、リボヌクレオチドを基質として使う
  • DNAポリメラーゼはプライマーが必要だが、RNAポリメラーゼはプライマーは不要
  • ミスの頻度が、DNAポリメラーゼは10の7乗個のコピーあたり1回程度、RNAポリメラーゼは10の4乗個のコピーあたり1回程度と、ミスの頻度がDNAポリメラーゼの方が少ない

 

プライマーについて補足します。

DNA合成のためには、DNA一本鎖と、合成の起点となる部分に結合したヌクレオチドが必要になります。DNAポリメラーゼは既存のヌクレオチドがないとDNAを合成できないのです。そのために、起点となるヌクレオチド、つまりプライマーが必要になります。ちなみに、ここでのプライマーはRNAであり、DNAではありません。

これって、授業中に先生が生徒に質問したとき、最初に誰かが手をあげると、他の生徒も手をあげやすくなる状況と似ているかもですね。

最初に手を挙げた生徒Aプライマー、その後に手を挙げた生徒BDNAポリメラーゼ生徒Bは常に最初に手を挙げることができない様子見君

しかし、生徒Bになぞらえてしまうと、ミスの頻度が少ない本当はスゴイDNAポリメラーゼに名誉棄損だと怒られてしまいそう・・・。

 

DNAとRNAの相違点をまとめたのがこちら👇

おまけ:今回の話から学べる重要な視点

今回の話からある視点を学べることに気付きました。

それは、具体と抽象です。

いきなり話が飛ぶと思われるかもしれませんが、今回のテーマと密に関係するのですよ。

「話が抽象的でわかりにくい」という言葉を耳にしたことありますよね。今回の記事を振り返ると(特に前半)、抽象化することでわかりやすくなることがあると思いませんか?

私は思いました。例を挙げますね。

例えば、DNAの構成成分の1つはデオキシリボースで、RNAはリボースですよね。これは相違点であり、具体に着目しています。

これに対し、DNAもRNAも五炭糖から構成されるというのは、共通点ですよね。これは抽象に着目しています。

いきなり抽象論を考えるとわかりにくいですが、DNA、RNAを例にすると、イメージしやすいかと思います。

このように、具体と抽象を自由に行き来できれば、物事を多面的に捉えられます。DNAとRNAの共通点・相違点を考える上では、抽象化が役立ちました。

私自身まだできていないのですが、具体と抽象を自由に行き来できるようになれば、見える世界が変わると思います。

このあたりのお話は、こちらの本に書いてあります。1度読みましたが、再読してご紹介する予定です。

具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

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細谷 功
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【参考】

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