QIDI TECHの大型光造形S-Boxが登場!海外レビューをまとめました
3Dプリンタで定評のあるQIDI TECHから、ついに出力サイズの大きい光造形3Dプリンターが登場しましたね!
QIDI TECHの新しい光造形S-Boxが気になったので、海外情報を調べてみました。
ポイントをまとめると次のとおり。
✅10万円未満の大型光造形
✅サイズは縦・横はこれまでの約2倍、高さは1.3倍
✅ステッピングモータードライバTMC2209を搭載、静音を実現
✅頑強なZ軸
✅匂いを抑えるフィルターつき
2020年7月末にリリースされたばかりで、まだ情報が限られています。
セラースプライトという有料ツールで調べたところ、US Amazonでは、
・2020年8月に40台販売
・2020年9月に359台販売
という人気ぶりでした。
私はQIDI TECHがはじめにリリースした光造形Shadow5.5Sを持っています。
Shadow5.5Sが気になる方は下記記事もご覧になってみてください。
目次
QIDI TECHの大型光造形・S-Boxの全体像
出力サイズ
215mm×130mm×200mm(高さ)とこれまでの光造形よりもかなり大きくなっています。
参考に、QIDI TECHのこれまでの光造形と比較したのがこちら。
S-Box | 215×130×200mm |
Shadow5.5S | 115×65×150mm |
Shadow 6.0 pro | 130×70×150mm |
レベリング
レビューにはレベリングペーパーが附属されているとありましたので、これまでのQIDI Shadowと同じく、ペーパーでレベリングでします。
10.1インチのスクリーン
出力サイズが大きいのだから当然ですが、スクリーンも大きいです!
10.1インチ、つまり約25cm。
通常タイプでは、4.3インチ(10cm)~5.5インチ(14cm)くらいですね。
Z軸精度
2本のリニアレールに工業レベルのボールねじを採用しており、Z軸精度は0.00125mmとなっています。
ステッピングモータードライバにTMC2209を使用
S-BoxはTMC2209を備えた初のZ軸とのこと。
(英語:S-BOX is the first Z-axis motor equipped with TMC2209 drive intelligent chip.)
TMC2209とは、超静音のステッピングモータードライバのことです(⇒参照)
3Dプリンタ出力時の音が抑えられるので、一晩中稼働させたい時にありがたいですね。
US AmazonのQIDI S-Boxの説明にも、静かであることがアピールされています。
海外のYouTubeを見てみると、
FDMタイプの3DプリンターAnycubic i3 Megaの稼働音を静かにするために、TMC2209ステッピングモータードライバに切り替えている事例がありました▼
第三世代のmatrix parallel光源を使用
照射がより均一に、出力がより正確になっています。
QIDI TECH S-Boxの海外レビューまとめ
US Amazonでは2020年7月末にリリースされたばかり。
これまでに9件のレビューがついています(2020年10月2日時点)。
すべて5つ星で「満足している」というコメントでした。
レビューをもとに、メリット・デメリットをまとめました。
デメリットについては、デメリットというよりも注意点に近い内容になっています。
満足なコメント
- 出力サイズが大きい
- レベリングが簡単
- 稼働時の音が静か
- USBポートの位置がレジンタンクの下部でないため、USBポートにレジンが付着する心配がない
- Shadow(QIDIのこれまでの光造形)でみられた末広がりになる現象)はなかった (底面が
- カスタマーサービスの対応が早く、通常12時間以内に返答がある
- 開封から40分で3Dプリントを開始できた
- この出力サイズでこの価格帯はほかに見つけがたい
- Z軸が頑強で安定している
- ほとんど匂いがなく(内部フィルターがついているため)、換気扇を回すだけでOK
4つ目のコメントについては、下記写真をご覧ください。USBポートがパネル部の前方に設置されています。
最後のコメントについては、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、バットの奥2箇所に活性炭フィルターが設置されています。
Shadowシリーズにも同じフィルターが設置されていて、確かに匂いはありません。S-Boxも匂いがないのは本当だと思います。
わたしが他機種を使ってきた経験から、
⇒光造形を使ったことある方にはすごく簡単
⇒3Dプリンタや光造形が初めての方は、他社同様、慣れるまでに時間はかかるけど簡単
ということがレビューから読みとれました。
不満なコメント・注意すべきこと
- ビルドプレートには穴があることが従来の光造形と違う。配置について注意する必要あり
- バットを取り外すとき、手が大きい人だとやや狭く感じる
- カバーのヒンジ部分がもろく感じる。強固ではない(注意して使えば問題なし)
- バットを取り外すときにフィルムが引っ張られる感じが時々ある
- 従来の光造形よりはるかに重い
ビルドプレートはこれまでのタイプと異なり、穴があいています。
また、2つめのデメリットに挙げられている、バットを取り外すときの不便については、下の写真をみるとわかります。
▼下の写真のとおり、QIDI TECHのこれまでのシリーズでは蓋を開けると、バットのネジ周囲には障害物はありません。これに対し、S-Boxでは壁やパネル部分がありますね。
QIDI TECHで迷う方にひとつお伝えしたいことは、カスタマーサービスの評判が圧倒的に良いことです。
私はまだ相談したことはありませんが、「QIDI TECH=アフターサービスが神」といっていいくらい、トラブル対応が早いです。
基本、英語でのやりとりになりますが、問い合わせから24時間以内に対応してくれます。
QIDI TECH S-Boxの主な仕様
出力サイズ | 215×130×200mm |
光源 | UV-LED(405nm) |
XY解像度 | 0.047mm |
Z軸精度 | 0.00125mm |
推奨の積層ピッチ | 0.025-0.1mm |
スライサーソフト | ChiTuBox |
ステッピングモータードライバ | TMC2209を使用 |
データ送付 | USB |
QIDI TECHホームページには詳細は公表されません。US Amazonの情報を参考にしました。
▼日本アマゾンのぺージ
わたしがShadow5.5Sを買ったときはミニレジンが附属でついていましたが、US Amazonでは付属レジンはなしとなっていました。
日本アマゾンでも同じかどうかはわかりませんが…。
初めて光造形を買われる方は、QIDI TECHのこれまでの光造形Shadowシリーズのレビュー記事もあわせてご覧ください。
あらかじめ用意しておいた方がよいものも書いていますので、参考になると思います。
熱溶解(FDM)と光造形の違いなどについては、こちらの記事が参考になると思います。
3Dプリンタの原理をわかりやすく解説した記事はこちら▼
おすすめな光造形のまとめはこちら▼