【DNA複製】ラギング鎖で岡崎フラグメントが形成される仕組み

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DNA複製のプロセスで、リーディング鎖はすぐに理解できても、ラギング鎖の詳しい仕組みがいまいち理解できない!と思ったことはありませんか?

私もそうでした。

ラギング鎖が断片的な岡崎フラグメントが連結したものだとは理解できても、具体的にどのような仕組みで岡崎フラグメントが形成されるのか?

について、すぐに納得できませんでした。

今回は岡崎フラグメントが形成される仕組みを説明します。

リーディング鎖とラギング鎖の違いは?

リーディング鎖もラギング鎖も、5′→3′方向にDNAが合成されるという点では同じです。

両者の違いは、合成方向が、複製フォークと同じであるかどうかということ。

 

リーディング鎖:DNAの合成方向が複製フォークと同じである

ラギング鎖:DNAの合成方向が複製フォークと逆である

 

これは、DNAを合成するDNAポリメラーゼは、5′→3′の方向にしか進めないためです。

前述の通り、

二本鎖がほどかれて1本鎖となる各DNA鎖のうち、3′→5′を鋳型として複製されるDNA鎖で、複製フォークと同じ方向に合成される鎖がリーディング鎖です

もう1本のDNA鎖は、5′→3′を鋳型に合成されますが、DNAポリメラーゼは5′→3′の方向にしか進めません。複製フォークの移動方向と同じ方向にDNAを合成することができず、複製方向とは逆方向にDNAを合成しなければなりません。

このように合成されるのがラギング鎖です。

 

ラギング鎖が複製フォークと逆方向に合成されるために生じる問題があります。

複製フォークと逆方向にDNAを合成している間にも、複製は進行していきますよね。

リーディング鎖の場合、既存の鎖を伸長すれば新しい鎖を合成できるので問題ありません。

ラギング鎖の場合、複製フォークとは逆方向にDNAを合成するため、既存の鎖を伸長することでは新しい鎖の合成ができません。

複製が進行するにつれて新たに表れる1本鎖に対応する鎖(下図の赤丸で囲んだ箇所)を、既存の鎖の延長として合成できないのです。

 

ではどうしているのか?というと、

ラギング鎖では、5′→3′の方向に複数のRNAプライマーを作成し、断片的な鎖を合成しています。

岡崎フラグメントが形成される仕組み

ここからラギング鎖を拡大して説明します。

ラギング鎖では、複数のRNAプライマーが作成されます。

RNAプライマーとは、DNA複製時に一時的に作られるRNAのことです。DNAを合成する酵素はDNAポリメラーゼですが、DNAポリメラーゼは無から1を生み出すことができません。

材料となるプライマーがなくてはDNAを合成できないのです。

①プライマーゼによってRNAプライマーが作成されると、RNAプライマーの3′末端に、DNAポリメラーゼⅢが新しい鎖を合成していきます。

くどいですが、ラギング鎖の合成方向は、複製フォークとは逆方向です。

②では、既に合成された鎖に続き、新たなRNAプライマーが作成され(青枠)、新生鎖が伸びている様子を示しています。

イラストで右側にかかれた新生鎖は、③に示すように、既にあるRNAプライマー部位(②で左側のRNAプライマー)までしか伸長できません。

 

すると、④の一番右側にあるように、新たにRNAプライマーが作成され、そこから新生鎖が伸長します。

この繰り返しで、ラギング鎖では、複製フォークの伸長方向とは逆方向に、断片的に鎖が合成されています。この断片的な鎖を岡崎フラグメントといいます。

このままでは連結したDNA鎖になりませんので、③④のように、DNAポリメラーゼⅠによって、RNAプライマーがDNAに置き換えられます。

置き換えられたDNAと、隣のDNAの間にはすき間があるため、DNAリガーゼですき間部分を連結します。①~⑤の繰り返しで形成される1本鎖がラギング鎖です。

まとめ

今回は岡崎フラグメントが作成される仕組みを取り上げました。

断片的なものが連結したものがラギング鎖であることはすぐに理解できても、RNAプライマーが複数作成され、同時多発的にDNAが複製されていく仕組みをすぐに理解できませんでした。

実際はもっと細かな仕組みがありますが、今回はおおまかな流れをご紹介しました。

今回の流れをすっきりまとめたのがこちら。

出典:The Replication Fork: Understanding the Eukaryotic Replication Machinery and the Challenges to Genome Duplication

 

【参考】

 

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