【家庭用3Dプリンタの失敗しない選び方】初心者が注意すべき4つのポイント(3台購入した経験から)
この記事では、3Dプリンタを3台買ったわたしが、これから3Dプリンタを購入する方が絶対に失敗しないためのポイントを解説していきます。
わたしがこれまで3Dプリンタにこれまでかけた総額は約17万円(2019年3月の時点)。
選び方で失敗したので、3台目を購入するはめになりました。
2万円代の低価格帯の3Dプリンタも市販されていますが、もし2万円の製品で失敗して、次に7万円を購入したら、約10万円になります。
このように考えると、3Dプリンタは「安く」購入できるようになりましたが、事前調査を十分にしなければ、結果的に高い買い物をすることになりかねません。
今回は私の実体験に基づいてあなたが失敗しないように、3Dプリンタを購入するときに注意すべき4つのポイントについて解説します。
ただし、ひとつだけ注意点があります。
3Dプリンタには2つのタイプがあります(FDMと光造形)。
[word_balloon id=”1″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”true” avatar_shadow=”true” balloon_shadow=”true”]この記事では、FDMタイプの3Dプリンタについて解説しています。[/word_balloon]
フィギュアやアクセサリーなど精巧なものを作りたい方には、光造形タイプがおすすめです。
光造形の3Dプリンタについては、こちらでオススメ機種やFDMとの違いを解説していますので参考にしてください。
目次
3Dプリンタを購入するときに注意したい4つのこと
Amazonレビューでいくら高評価のものでも、レビューだけを見て購入を決めるのは危険です。
購入時には最低限、以下の4つのポイントに注意しましょう。
ポイント1:組み立て式、組み立て不要タイプ、どちらが自分にあっているか確認する
ポイント2:造形時にPCとの接続が必要かどうか
ポイント3:オートキャリブレーション機能がついているかどうか
ポイント4:造形ベッドの特徴
1つずつみていきます。
ポイント1:組み立て式、組み立て不要タイプ、どちらが自分にあっているか確認する
私が1台目に購入したのは、M3DのMicro+です。
出典:公式サイトより
これは組み立て不要タイプの3Dプリンタです。
つまり、箱から出して、所定の事前準備をすれば、すぐに使うことができます。
次に、Anycubic Mega-Sを購入しました。
出典:公式サイトより
これは組み立て式の3Dプリンタです。
初回購入時に組み立てに必要な工具一式もついてきます。
初回購入時に注意すべき1点目として、組み立て式、組み立て不要タイプのどちらが自分に合っているか確認しましょう。「こんなはずじゃなかった!」を防ぐために大変重要です。
組み立て式がお勧めの方:
組み立てるのが面倒ではない。
造形中の様子をつぶさに観察したい。
故障しても修理できる自信がある(ノズル交換など)
組み立て不要タイプがお勧めの方:
箱から出して早く使いたい。
組み立てるのは苦手/面倒。
小さな子どもと使うので、より安全なものがいい。
※組み立て式の場合、子どもが転んで本体両側の角にぶつかって怪我をするおそれがあります。
私は、組み立て式は苦手です。Anycubic Mega-SはAmazonで高評価レビューが多かったため購入しましたが、自分には合っていなかったと後悔しました。
ノズルを詰まらせてしまったためにノズルを交換した時は、半日かかり大変でした。
ノズル交換後も不調(Y軸、Z軸に動かないエラー)があり、まだ修理が完了していません。
ただ、誤解していただきたくないのは、Anycubic Mega-Sが悪いのでは決してなく、私の力量が足りないだけなのです。機械いじりが好きで、修理作業をいとわない方にはAnycubic シリーズはぴったりだと思います。Amazonレビューは良いものばかりです。
私はMega-Sを購入しましたが、i3 Megaの方が売れているようです。
2つの違いはこちらから。
ポイント2:造形時にPCとの接続が必要かどうか
「データ」をどのように送るタイプかも注意しましょう。データの送付方式は装置によって異なります。
これは装置の稼働にかかわる重要なポイントです。
主に以下の3つの方法があります。
・コードでPCと3Dプリンタをつなぐ
・SDカードやUSBを3Dプリンタに挿入する
・Wifi接続する
ここで注意が必要なのが、1つ目の「コードでPCと3Dプリンタをつなぐ」場合です。
これに関するトラブルが1台目のMicro+で起きて、現在にいたるまで解決していません。Micro+が稼働不能に陥った原因が、「コードでPCと3Dプリンタをつなぐ」に起因しているのです。
Micro+は、附属のコードで3Dプリンタ本体とPCを接続しなければ、造形できません。SDカードを挿入するポートはなく、Wifi接続でデータを送ることもできません。つまり、PCと正常に接続できなければ、造形できないのです。
M3DのMicroシリーズは高評価の初代家庭用3Dプリンタですが、ネット検索すると同様のトラブルを見かけます。日本語サイトでも英語サイトでも、「PCがマイクロを認識しない」ことで困っている事例を見かけました。
後でお示ししますが、Micro+は、デスクの端っこにおいて造形できる、手のひらサイズの小型3Dプリンタで、と~~~ても初心者向けです。とにかく、使用が簡単なのです。
ですが、上記トラブルの可能性がありますので、私は購入はおすすめしません。大変残念です。上記トラブルがなければ、現在も愛用していたに違いありません。本当に残念でなりません。。。
また、これは未検証ですが、Micro+のように、コードでPCと3Dプリンタを接続して造形するタイプは、造形中にPCをシャットダウンできない可能性があります。
Micro+を使用時には、造形中はPCをONにしていましたので、実際に試していませんが、PC上のソフトが3Dプリンタを認識できなければ本体が動かないため、造形中はPCをシャットダウンできない可能性が考えられます。
3Dプリンタの造形は、小さなものでも1~2時間かかりますので、これから購入する場合は、造形中にPCと接続しなくても使用できるタイプをおすすめします。
ポイント3:オートキャリブレーション機能がついているかどうか
これも重要なポイントです。
初心者で機械いじりに自信のない方には、オートキャリブレーション機能がついているタイプがおすすめです。
3Dプリンタの中には、セットアップ後に自分でキャリブレーション(位置調整)しなければならないものがあります。Anycubicがまさにそうでした。
私がAnycubic組み立て完了後、早々にノズルを詰まらせてしまった原因は、キャリブレーションがうまくいかず、ノズルが造形ベッドにくっついた状態で数秒造形を続けてしまったためでした。
ノズルが造形ベッドに押し付けられたことで、ノズルの出口がふさがってしまったのです。Amazonレビューを見ていると、キャリブレーションで苦労された方が一定数いらっしゃいます。
私は特に不器用なタイプに属すると思いますが、失敗を避けたい場合は、オートキャリブレーション機能がついているタイプがおすすめです。
Micro+はオートキャリブレーション機能がついています。Micro+の難点は、ポイント2でふれたPCと接続が必要な点だけといってもいいでしょう。
ポイント4:造形ベッドの特徴
これも地味にじわじわ効いてくる、重要なポイントです。
造形ベッドから造形物をはがしやすいかどうかも確認しましょう。
待望の造形物ができた!と思って造形ベッドからはがそうと思っても、はがしにくいことがあるからです。
通常はこのようなヘラを使用します。
丁寧にはがさなければ、せっかく造形したものを壊してしまうおそれがあります。造形ベッドからのはがしやすさも購入時に注意すべきポイントなのです。
では、上記4つのポイントをクリアするものが、ベストな家庭用3Dプリンタということになります。
それはずばり、現在我が家で大活躍中のFLASHFORGEのAdventurer3です。FDMタイプではAdventurer3以外考えられません。
出典:公式サイトより
Adventurer3は、上記の注意すべき4つのポイントすべてを解決する、すぐれものの3Dプリンタです。
- 組み立て済みなので、届いてからすぐ使える
- USBまたはWifi接続でデータを送る
- オートキャリブレーション機能つき
- 造形ベッドが曲がるので造形物をはがしやすい
Adventurer3の前にFinder(ファインダー)がありましたが、Adventurer3はFinderよりも全体のサイズは小さいですが、造形サイズが大きいため、これから購入する場合、Finderを選ぶ理由はないかなと思います。(価格はFinderの方が若干安くなります)。
2週間使用してトラブルはゼロです。こんなこと初めてです(涙)。専用のスライスソフト「FlashPrint」も解説動画があるおかげで大変使いやすいです。
現在はAmazonでは購入できず、メーカー直販となっています。(FinderはAmazonで購入可能です)。
Adventurer3で地味にきいているアピールポイントが、上述した4つ目の注意ポイント「造形物のはがしやすさ」です。
造形ベッドを曲げられるので、造形完了後にあっさり完成品をはがすことができるのです!毎回考えられる”めんどくさい”作業が、Adventurer3では発生していません。Finderには造形ベッドの「曲がる機能」はついていません。
まとめ
これからFDM(熱溶融)方式の3Dプリンタを購入する場合は、最低限、次の4つのポイントに注意しましょう。
低価格タイプを買うにせよ、「たかが2万円、されど2万円」。馬鹿になりません。
ポイント1:組み立て式、組み立て不要タイプ、どちらが自分にあっているか確認する
ポイント2:造形時にPCとの接続が必要かどうか
ポイント3:オートキャリブレーション機能がついているかどうか
ポイント4:造形ベッドの特徴
Amazonや楽天にはこのほかに3Dプリンタがいろいろありますが、今回は私が実際に購入し、使ってみた実体験に基づいて、歴代ナンバー1と、注意すべきポイントについてご紹介しました。
上記4つのポイントに注意するだけで、3Dプリンタの購入で私が経験した失敗を避けることができると思います。
光造形については、今機種をいろいろみているところですので、検討記事も交えながら今後記事にしていきますね。
おまけ:3台のおおきさを比べてみよう!
Micro+がいかに小さいかおわかりいただけますよね?
この3台では、Adventure 3がナンバー1です。Adventure 3の購入はメーカーサイトよりどうぞ。
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