【クローズアップ現代を見て】AIに仕事を奪われる?それとも、AIと協働する?
4月25日放送のクローズアップ現代「AIに負けない仕事術/企業や教育の最前線」をみました。
番組の内容をまとめると、
・AI時代の到来に直面し、人間はどう備えるべきか?
・2030年までにAIに奪われる仕事
・AI時代に生きる子供たちにどんな教育を施すべきか
・AIと協働するためのヒント
番組を視聴して、
AIの登場によって、仕事や学びに対する意識を変えざるを得なくなる――
これは、眠っていた能力を開花させるチャンスなのでは?と感じました。
番組の内容を一部紹介しながら、感じたことを書いてみます。
目次
今、求められる「人間力」
番組で紹介されていたとある眼鏡チェーン。
この眼鏡チェーンでは、Twitterフォロワー数が1万人を超えている人は、書類選考、筆記試験が免除され、月+5万円が支給されるようです。
理由は「影響力があるから」。
実際に、Twitterのフォロワーが、来店し、購入するケースもあるようです。
来店理由は「人間力」ですよね。
この人がいるお店で買いたい。
ユーザーに共感してもらったり、ユーザーの感情を動かしたり・・・どれもAIにはできませんよね。
この眼鏡チェーンでは、AIができる仕事はすべてAIに。人間しかできないものは人間がやる。このコンセプトを実践しています。
この事例が面白いなと思った点は、
AIの登場によって、受け身の姿勢が積極的な姿勢に変わるという点。
人間にしかできないこと、人間の強みは何なのか?を考え、試行錯誤するようになること。
ゲストとして出演されていた田坂先生がおっしゃる「AIの登場は、才能を開花させるチャンス」とはこのことだと思いました。
ホテルを飛び出したフロントレディ
チェックインにAIを導入したホテルの事例も紹介されていました。
AI導入によって、受付で仕事をしていた女性は、ご近所ガイドに変身。ガイドブックにも載っていない穴場スポットに外国人旅行者を案内します。
これも、AIと人間の強み・弱みを見極め、うまく活用した事例ですよね。
フロントレディが外へ飛び出したことで、このホテルに宿泊する旅行者は、よりクリエイティブで、独自のサービスを受けられるようになりました。
AIと切り離せない2020年教育改革
2つの企業の取り組みと、2020年の教育改革は関係すると思いました。
2020年の教育改革は、社会の大きな変化をうけて、教育改革をこれ以上先延ばしにできなくなったために行われる大改革です。
これは、2014年12月22日に中央教育審議会で取りまとめられた「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という答申によるものです。
この答申の内容は、大学と高校の教育を変える必要があるということ。大学と高校の教育が変わるのならば、入試制度も変えざるを得ません。そのために2020年から大学入試が抜本的に変わることになりました。
高校の教育内容の変化は、当然のことながら中学校に影響し、小学校にも影響していきます。
私が受けた教育とは全く異なる教育を受けた若者が、20年後には大部分を占めることになるでしょう。彼らは、教育改革を後押しした要因の1つであるAIと協働し、打ち勝つために、「考える」ことを求められてきた若者たちです。
小さな子供を持つ親には頭の痛い問題です。同時に、大人世代も、同じくらい、もしかしたらそれ以上、危機感を感じる状況だと思います。自分が生き残るすべについて、考えないといけないのですから。
教師に忍耐力はあるか?
これは、2014年度の東大の入試問題です。
親からすると、子供はこういった問題に対応できるだろうか?と不安になります。もっと心配なのは、新制度の問題について、教師は適切な指導を行えるだろうか?という点です。
生徒の答えに対し、「なるほど、そんな見方もありますね」と回答するか、
「〇〇なのはなぜ?」、「こんなときはどうなるの?」と問うことができるか。
子供の思考が継続するか、止まるかを、教師の対応が左右することになります。
子供のタイムリミット
私の子供は4歳。AIと教育改革の影響を大きく受ける世代です。
2020年から教育改革が始まるといっても、現場がすぐに対応できるものではありません。10年ほどは試行錯誤が続くはずです。
子供の将来に対し、漠然とした不安を抱えていたとき、「出口式みらい学習教室」について知りました。
その時知ったのが、
子供の脳は12歳までに完成する。小学校の教育は、未完成の脳に対する教育である。
それ以降の教育は、完成された脳に対する教育である。
12歳までの教育が脳の成長に非常に重要だということです。
この教室では、論理力の育成、幼児から漢字の教育に重点を置いています。
漢字を学ぶコンセプトは、書けなくてよい、読めればOKというもの。
私の子供も教室に通っていますが、わずか40分の授業で、「水族館」、「消防署」、「公園」などの漢字を読めるようになるから驚きです。
小学校就学までに身近な漢字を読めるようになれば、幼児が小学校高学年の本を読めることになります。入ってくる情報に基づいて、子供は想像を膨らませます。漢字を読めることで、たくさん読むことができ、今ないものを想像する力を養うことができるとしています。
詳細はこちらのビデオをご覧ください。出口先生が説明されています。
http://www.deguchi-hiroshi.com/video/1811221_deguti01.html
取るべき道は?
教育改革の波や、番組の内容からも、AIの影響力からは逃げたくても逃げられないことがわかります。
不安がないと言ったら嘘になりますが、悲観的には感じていません。反対に、人が眠っていた創造力、思考力、表現力を最大限に発揮できる状況になるのは、社会にとってもプラスだと思います。
これは一種のひらきなおりかもしれませんね。
波がやってくるのがわかっている以上、正々堂々と迎え撃つ。そのために、相手(AI)の長所・短所を理解し、うまく活用できる方法を模索し、人間にしかできない領域で勝負する。
これに尽きるのではないでしょうか。
田坂先生がおっしゃる通り、「AIは人間の可能性を高めるもの」だと、私も思います。
3DプリンタとSTEAM教育
我が家では、日常的に3Dプリンタを使って、おもちゃや知育パズルを作っています。
おもちゃのために3Dプリンタを?と思われるかもしれません。
しかし、世界を見てみると、アメリカ、イギリス、中国などの国が、教育現場への3Dプリンタ導入をすすめています。
海外では、STEAM教育と3Dプリンタが結び付けられているのです。
STEAMとは、科学「S」、技術「T」、工学「E」、数学「M」、アート(A)の頭文字をとった教育概念で、2000年始めより(当初はSTEMとして)アメリカで提唱されたものです。
GE additiveもSTEAM教育の一環として3Dプリンタを活用した教育プログラムを実施しています。
審査に通った学校には3Dプリンタや材料、ソフトなどを提供しており、今年のプログラムでは、最終審査対象として1688校が選定されました。
3Dプリンタによる、空想を見えるイメージに変え、イメージを形に変えるプロセスをたどることで、子供の考える力、今ないものを想像する力を養えると考えています。
AIと人間の決定的な違い
AIには身体がないですよね。身体があることも、人間の強みだと思います。
痛みを感じられる、暑さを感じられる、不機嫌なことを感じ取れる、目が心から笑ってるのがわかる――身体があるからこそ、人の気持ちを理解してあげられる、共感することができます。
AIには「共感」はできません。
3Dプリンタは空想を手に取れるツール。身体性を感じられるツールだと思います。ここに、私もまだ言語化できていない可能性を感じています。
まとめ
番組を見て、AIから逃げることはできないぞ、という気持ちが強くなりました。
もう腹をくくって、準備するしかないですね。
子供のことも、家族のことも、自分のことも。いろいろのしかかってきますが、考えるプロセスを存分に楽しみながら、自分のOSを変えていきます。
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