油壷おそるべし!フィラメントの取り込み不具合がすんなり解決!
以前の記事で、3Dプリンタでプリント中に、フィラメント挿入口へのフィラメントの取り込みがスムーズにいかず、失敗する事例について書きました。
過去記事
この記事を書いた後、親切な方に「油壺」という解決方法を教えていただきました。
油壺?なにそれ?と思う方もご安心ください。ネット上にある無料データで油壺さえプリントすれば、フィラメント詰まりを解決できる可能性大です。
※注意※(後日追記)
Flashforge社の3Dプリンタを使用の場合は、油壷の使用は推奨されていませんのでご注意ください。
この記事は試行錯誤の記録として残しておりますが、Flashforge社や他社の3Dプリンタで油壷をご使用になる場合は下記ツイートをご参照のうえ、各自の責任でお願いいたします。
再び油壺が原因で故障になる方が多発しています。
ブログ記事を参考にしたというお話しをお聞きしますが、ブログ記事は一度書いてからは訂正しない、又は取り消さない方が多いです。
間違った情報もありますのでご注意下さい。😢#FLASHFORGE #3dプリンター https://t.co/Q0OSehbCQy— FLASHFORGE JAPAN (@flashforge_jp) January 14, 2020
目次
フィラメントの取り込み不具合は摩擦力が原因だった
フィラメントの取り込み不具合=フィラメントの劣化、と短絡的に結論付けていた私は、ようやく「摩擦力」に原因を見つけました。フィラメントの取り込みが悪いなら、新しいフィラメントを買えばいいと考えるのは、原因を考えようとしない、思考停止の状態でした。
摩擦力について少し説明すると、
物体が水平な台を進むとき、図のように、引っ張る力に対して摩擦力が働きます。
摩擦力というのは、物体が動かないようその場にとどまらせようとする力のことです。フィラメントの取り込みをスムーズにするためには、フィラメントにかかる摩擦力を減らしてあげればよいことになります。
公園の滑り台を滑るとき、太ももの素肌が直接触れた状態で滑る場合と、ズボンの衣服が触れた状態で滑る場合とでは、滑りやすさが全然違いますよね。これは、太ももの素肌にかかる摩擦力が衣服によって軽減されているためです。
3Dプリンタのフィラメントの滑りをよくするために使うのが、油壺です。
油壺のつくり方
完成品はこれです。
用意するもの
・スポンジ
・オリーブオイル
・はさみ
・3Dプリンタで造形した油壺
①油壺をプリント
3Dプリンタがこれだけ普及した時代、自分が抱える悩みはすでに他の誰かが経験済みなことばかり。おなじみのThingiverseでデータを探すとありました。
データ入手先:https://www.thingiverse.com/thing:492067
探すと他にもいろいろあると思います。
プリントが完了した状態。14分で造形できました。
②スポンジを詰めて、フィラメントを通す
小さく切ったスポンジを中に詰め、フィラメントを通します。
③油をさす
少量の油を注ぎます。
これで完成です。
油壺の取り付け方
エクストルーダーの上につける方や、フィラメント挿入口につける方、いろいろのようです。私は簡単に装着できるという理由から、フィラメント挿入口につけてみました。
※写真の3Dプリンタは、FlashforgeのAdventure3です。
早速プリントしてみました!
油壺の効果 ビフォー&アフタで検証
油壺取り付け後、最近、頻繁に発生していたプリント中の「ドッドッドッド」という音が全く発生しませんでした。
過去記事
プリント精度には明らかな変化がありました。
油壺使用後
今までほぼ毎回失敗していた足がきれいにプリントされています。
前足が細いため、サポート材を取り外すときに折れてしまうのではないかと心配していましたが、折れませんでした。右足の指が1本とれてしまっただけで済みました。
油壺使用前
同じく恐竜の造形物です。油壺使用前では、太い足でも造形後に簡単に折れていました。積層にすき間があったためです。
油壺使用後ではすき間なくきれいに積層されています。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、細い前足も問題なくプリントできていることに感動しました。
これはサポート材を取り除く前の写真です。油壺使用前と比べて、サポート材もきれいにプリントされました。
3Dプリンタを実際にいじったりしない夫も、2つの造形物を見比べて、精度の違いに驚いていました。
よかった・・・これで子どものプリント希望にこたえられます。
今回の反省点
今回の油壺を使って精度が改善したり、油壺を3Dプリントしたりする過程で、「自分はまだまだ3Dプリンタを使いこなせていない。わかっていないことがたくさんある」と感じました。
一番ショックだったのは、試行錯誤しようとしていなかったこと。
プリント不具合の理由を、フィラメントの劣化のせいにして片付けようとしていた自分が恥ずかしいです。アドバイスをいただかなかったら、新しいフィラメントを購入してすませていたと思います。それで解決しても、いずれまた同じ問題に直面していたでしょう。
油壺のおかげで、たっぷり残っているフィラメントを使い切れそうな気がしてきました。
いろいろな恐竜を作って、子どもとアクリル絵の具で塗るのを楽しめる段階までようやく来ました。
油壺を装着してからまだ1つしかプリントしていませんので、今後、変化や気づきがありましたらまた記事にします。
Adventurer3で油壷を使うことに関するメーカーの見解
家庭用3DプリンターAdventurer3に油壺をお使いの場合は、メーカーの見解をご確認ください。
私は問題なく使えましたが、メーカーは油壷の使用を推奨していませんので、お使いになる場合は下記をご確認ください。
おしらせ
FLASHFORGE JAPANは3Dプリンターに油壺を搭載する事を推奨しません。
油壺が原因で故障したadventurer3が、かなり増えています。
ノズルユニット内外で油が溢れる、焦げ付く。油でノズル内温度が上がり続けフィラメントが炭化するなど他にも様々な故障やエラーの原因になっています。
続く pic.twitter.com/jxCJyq6SpM— FLASHFORGE JAPAN (@flashforge_jp) 2019年6月19日
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