【3Dプリンタ】光造形とFDMの違いを比較(原理、精度、サポート設定)
光造形とFDMのどちらを購入するか迷われる方もいると思います。
FDM、光造形の3Dプリンタを使い始めて日が浅いですが、今回はこれまでの失敗から得た気づきをシェアさせていただきます。
何か気になることや質問がありましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
目次
光造形とFDMの違い:原理
光造形とFDMの造形方法について、簡単に触れておきます。
FDM(熱溶融)の原理
FDMは、熱で溶かしたフィラメントをノズルから押し出して、ソフトクリームのように一層一層重ねていきます。イラストのように造形プラットフォーム(Z軸)が下がるタイプもありますが、一般に家庭用の3Dプリンタでは、造形プラットフォームは動かず、ノズルがXYZ軸に移動するものが多い印象です。
使用するフィラメントは、細い紐状のものをリールに巻いた状態になっています。プリンタによって専用フィラメントが指定されていたり、私が使っているAdventure3のように基本どのフィラメントも使えるタイプがあったりと様々です。また、フィラメントにはPLA、ABS、温度で色が変わるタイプなどあります。
光造形の原理
光造形は、液体樹脂(レジン)に光を照射して、造形データに基づいて硬化させていきます。
上から光を照射するタイプと、下から光を照射するタイプがあります。私が使っているのは、下から光を照射するタイプです。
FDMに比べて光造形の精度は高く、家庭に導入するには価格が高めでしたが、近年、FDMと同価格で入手できるものが増えています。
私が使っているEPAX X1も低価格な光造形です。
今回は、光造形とFDMの精度の違い、サポートの設定方法を比べてみました。
光造形とFDMの違い:造形精度
光造形とFDMとで同じデータをプリントしてみました。違いはいかに?
目に見える違いは、光造形では積層跡がないことです。
FDMでは近くで見ると、以下のような細かな線の積層跡を確認できます。光造形では積層跡がなく、うっとりしてしまいます。
FDMの実際の積層ピッチ
FDMと光造形とで積層ピッチがどれくらい違うかというと、
FDM(Adventure3)の積層ピッチは0.18mmに設定していました。Adventure3の積層ピッチは0.05mm~0.3mmの範囲で調整可能です。
光造形の実際の積層ピッチ
光造形(EPAX X1)の積層ピッチは、0.05mmに設定していました。EPAX X1の積層ピッチは0.01mmまで調整可能です。
どちらもデフォルト設定の積層ピッチで印刷していました。
FDMの積層ピッチも0.05mmに調整して、造形精度を比べてみると面白そうですが、すごい時間がかかりそうです。。。
FDMと光造形の違い:サポートの設定
光造形で最初、わからずに苦戦したのがサポートの設定方法の違いでした。
FDMでは、👇のようにプラットフォームに置いた状態で、ラフト・サポートを設定します。
光造形でも、同様にプラットフォームに置いた状態で、ラフト・サポートを設定してプリントしました。実際のプリント時には、プラットフォームに吊り下がった状態で、脚部分からプリントされていきます。
すると、、、
うっとりする仕上がりですが、問題が1つ。脚とラフトがくっついていることです。
FDMでは脚部分とラフトがくっついていても、問題なく剥がせます。しかし、光造形では、脚部分とラフトが連結していると、一体化してしまいます。そのため、👇のように、脚部分とラフトの間に空間を設け、サポートでつなぐ必要があることがわかりました。
このときは、カッターでなんとかラフトを外しました。次のプリントからは、👇のようにラフトから造形物を離し、サポートをつけるようにしたところ、問題なく後処理できました。
光造形ユーザーにとって当たり前のことかもしれませんが、私は造形して何度か失敗するまで気づきませんでした。
サポート設定については、もっとよい方法があるかもしれませんが、初心者がたどり着いた結論をひとまずまとめました。
まとめ
今回は原理、精度、サポート設定を取り上げました。
精度は、光造形>FDM、
サポート設定は、光造形≠FDMでした。
光造形についてはまだわからないことがありますので、解決次第、またご紹介していきます。
動画を作りました
https://youtu.be/-uHefHHrk-o
https://youtu.be/579WK1aHLRQ
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