子どもが論理を学ぶ理由【出口式みらい学習教室での気づき】
子どもが出口式みらい学習教室で学び始めてから5ヵ月経ちました。
子どもは教室の教材カードが大好きで、自宅でも遊び感覚で楽しんでいます。特に好きなのが対立関係を学べる反対語カードです。
最近、子どもとの会話で、論理でこうして情報を整理するのか…と思う出来事がありました。
論理を学ぶ1つの理由は情報の整理であり、それが思考の出発点になります。
本記事では、前半に教材カードの紹介、後半に子どもとの会話で得た気づきを書いています。
※教室に通っていない方が教材カードを購入できるかわかりませんので、ご興味ある方は教室に問い合わせてみてください。
目次
出口式みらい学習教室の教材カード
動詞、形容詞、名詞の反対語が書かれたカードです。
このカードを裏返しに並べて、神経衰弱ゲームをやります。
2枚めくって、対立関係であればゲットできるルールです。
教室で神経衰弱ゲームをやってから、子供がこのゲームを大好きになり、教材カードを買ってからは、毎日のように反対語ゲームをしています。
悲しいくらい自分の短期記憶力の低下を実感します。
大人のみなさん、「おいしい」の反対語ってすぐに出てきますか?
答えは「まずい」です。白状すると、私は最初、「おいしくない」だと思いました。
授業では、親が隣に座って、一緒に授業に参加します。初めてこの反対語カードを見たとき、実は言えないもの・わからないものがいくつかあり、内心ひやひやしていました。
先生によると、大人でも答えられないことがあるのだそうです。
自宅で数えきれないほどカードゲームを繰り返した現在、子供はどの反対語も即答します。初めてカードゲームをしたときはほとんどは知らない状態でしたので、大きな変化です。
では、そもそも、なぜ就学前の子供が反対語を学ばなければいけないのでしょうか。
子どもが論理を学ぶ理由
出口先生の「論理の力」によると、
論理を学ぶ理由は、頭の中で情報を整理するためです。
最近、子供がよく聞く質問で、ピッタリな例がありましたのでご紹介します。
ある日、子供に「生き物はみんな死ぬの?」と聞かれました。
「うん、そうだよ」と言うと、「じゃあ、建物も死ぬの?」。
次々と質問がでてきました。
「パパも死ぬの?」
「ぼくも死ぬの?」
「ママも死ぬの?」
「ぼくはあとどれくらいで死ぬの?」
この時は気づきませんでしたが、子供は頭の中で具体と抽象を行き来し、対立関係を整理していました。
パパもママもいつか死ぬ(具体)
↓
生物はみんな死ぬ(抽象)
↓
自分もいつか死ぬ(具体)
建物やおもちゃは死なない(具体)
↓
建物やおもちゃは生物ではない(抽象)
↓
生物以外は死なない(抽象)
うさぎ、カブトムシ、家族 (具体)
↓
生物(抽象)
家、車、建物 (具体)
↓
生物以外(抽象)
死ぬ ⇔ 死なない(対立関係)
さらに、「恐竜も死ぬの?」と聞かれました。
「恐竜も死ぬんだけど、恐竜はすでに絶滅していて、今はいないんだよ」と話しながら、ここにも対立概念があることに気づきました。
いま ⇔ むかし
生きている生物 ⇔ 死んだ生物
ある ⇔ ない
子供が私に矢継ぎ早に質問していたとき、子供は頭の中で、上記の情報を一生懸命整理していたんだな、と後になって気づきました。
また、「死」から「死後の世界」も気になるようで、「死んだらどうなるの?」とも質問されました。
子供にはまだ教えていませんが、「死」の反対語は「生」ですよね。
「じゃあ、あとどれくらい生きるの?」など、子供の頭の中で、「死」を出発点として、時間的な概念も生まれていることがわかります。
本に記載されている通り、言葉がなかったら私たちは世界を整理することができませんが、言葉があるおかげで、世界を整理でき、思考することができるのですよね。
一部、本の記載を引用します。
このように私たちは「イコールの関係」「対立関係」を使って、世界を整理します。
(略)
「暑いと寒い」「おいしいとまずい」「善と悪」など、あらゆるものを「対立関係」で整理することで、秩序ある世界を作り出し、その中でようやく安心するのです。
(略)
論理は言葉とともに生まれた世界共通の約束事であり、誰にとっても身近なものなのです。
『論理の力』p74
身近なものには論理がたくさんあることを体験できる方法の1つが教材カードですね。
私たちは「イコールの関係」と「対立の関係」で世界を整理しています。
(略)
文章を読むときには言葉の数だけ意味があります。それを等分に頭に入れたら、頭の中がごちゃごちゃします。まさにカオスです。ごちゃごちゃするから考えることができない、説明できない、答えることができないのです。
あらゆる情報を頭の中で論理的に整理することができるから、理解できる、記憶できる、考えることができる、説明ができるのです。
『論理の力』p82
4歳の子供との会話一部をとっても、具体と抽象、対立関係によって、情報を整理し、理解していることに気づかされます。
「死」をテーマに、子供が死後のことを考える様子を見ていると、論理で世界を整理することは、思考のスタートでもあることがわかります。
逆を言うと、世界を整理できなければ(論理が身についていなければ)、頭の中はカオス状態で、思考ができないということ。
論理ができていれば、飾りの部分をとって、情報を整理して、本質をつかむことができるので、他者とのコミュニケーション、他者理解にも通じるわけです。
子供を適切に導くために親も論理を学ぶ
出口式の授業や教材は、子供が楽しく、論理を身に着けられるようになっているんですよね。
「まえ行っていた勉強教室(公文のこと)よりも楽しい」と自分から話してくるほどです。
自宅でも、本人は遊び感覚ですが、しっかり「勉強」しており、『論理の力』に書かれていることが自然とできています。
学びは遊びの中から生まれてくるのです。子どもたちが面白がって、自らもっとやりたくなる環境づくりが大事なのです。学ぶことが楽しいと感じるならば、その子は一生学んでいきます。
『論理の力』p63
ということで、我が家では、親がときに疲弊していますが、今後も出口式で楽しく勉強していきます。
子供が言葉を覚え、世界を広げていく過程で、子供の頭の中で起きていることを親が理解し、適切に導いてあげることが大切だと思います。
私もまだできていないことが多いですが、この本が助けになっています。
この本もおすすめです。私のバイブル本。
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