小学校の勉強についていけない本当の原因は認知機能では?【『ケーキの切れない非行少年たち』より】

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簡単な足し算ができない、ひらがなをまだ書けない、

小学校の勉強についていけず、子供に何か問題があるのかもしれない、

という悩みを抱えている親御さんは多いと思います。

お子さんが勉強についていけない場合、

次にあてはまるものがありましたら、認知機能を確認してあげるのがいいと思います。

漢字を覚えられない

黒板を写せない

計算を覚えられない

文字をひと塊で読めない

 

私の子供はまだ4歳ですが、今後のために『ケーキの切れない非行少年たち』を読んだところ、まったく知らなかった事実を知りました。

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)

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宮口 幸治
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この本は、多くの非行少年と接してきた方が書かれた本ですが、学校の勉強についていけず困っている子供の問題を親が見つけてあげるうえで、大変重要なヒントが書かれている教育の本でもあります。

ご自分が勉強で悩んだことのない親御さんにとっては、子供が勉強でつまずくことは、特に受け入れがたく、つい大声で怒鳴ってしまうかもしれません。

しかし、もしかしたら、勉強以前の問題かもしれず、放置しておくと、別の問題を生じてしまうかもしれません。

この本は、子供に関わるすべての人必読の本である、が私の主張です。



小学校の勉強についていけない本当の原因は認知機能では?

 

勉強についていけないと言われる子供は、認知機能が十分でないことが多く、認知機能をターゲットにせよ、

というのが本書の主張です。

見る、聞く、触れる、匂う、味わうの五感から得られた情報を整理し、これをもとに計画を立て、実行していく過程で必要な能力が認知機能です。

とくに「見る力」「聞く力」が弱いと、入った情報が間違っていたり、受け取った情報を間違って整理したり、一部しか情報を受け取られない可能性があります。

本書には、学校で困っている子供たちの「見る力」「聞く力」に問題がないか確認すべき、と書かれています。

認知機能は、社会活動をするうえですべての土台となる能力だからです。

認知機能はすべての学習の基礎となる

勉強についていけないという悩みの具体例として、下記のものがあります。

漢字を覚えられない

黒板を写せない

計算が覚えられない

文字をひと塊で読めない

 

本書によると、こうした悩みの背景には、認知機能が弱いことが原因となっているケースが多いとのこと。

上記の悩みをもつ子供に、コグトレというトレーニングをしてもらうと、できないことが多いようなのです。

具体的には次のようなトレーニングです。

●点つなぎ(点でつながった上の図を下に写す)

●まとめる(無造作に並べられた☆を5個ずつ囲む)

●形さがし(点の中から正三角形に配置されたものを探して線でつなぐ)

 

 

「点つなぎ」で確認するのは、形を認知する力。

出典:ソクラテスのたまご

簡単な図を正確に写すことができない場合、もっと複雑な漢字は覚えられません。

漢字を覚えられないのは、形を認知する力が弱いということです。

 

「まとめる」で確認するのは、数を量としてみる力。

出典:ソクラテスのたまご

「5」は「☆☆☆☆☆」、「3」は「☆☆☆」のように、「量」でみる力です。

これは計算の基礎となるため、「まとめる」ができないと、計算を苦手になってしまいます。

 

「形探し」で確認するのは、場所や大きさが変わっても形を認識する力。

対象を見る方向が変化しても、対象を同じものとして認識する力です。

「形探し」ができないと、黒板に大きく書かれたことをノートに小さくして写すことができません。

 

しかし学校の場合、

漢字ができない → 漢字をひたすら練習させる

計算ができない → 計算ドリルをひたすらやらせる

黒板を写せない → 不真面目だと思われてしまう

など、認知機能が弱いことはスルーされがちですよね。

 

多くの非行少年と接してきた筆者は、

漢字を覚えられない

勉強のやる気がない

忘れ物が多い

計算が苦手

集中できない

など、普通の学校で困っている子供たちにみられる特徴が、多くの非行少年たちの小学校時代の特徴と共通することを指摘しています。

子供たちはこれらのサインを小学校2年生から出しているようです。

こういったサインに気づかれないままだと、学習面の弱さだけでなく、周囲の状況や空気を読むことが難しくなり、不適切な行動からさらに非行へと発展しかねません。

学校で勉強についていくのが難しい子供には、「見る」「聞く」などの認知機能に問題がないか注意を払う必要性が指摘されています。



WISC知能検査では不十分

一般にIQを測るものと言われるのが、WISC検査です。

本書によると、WISC検査は子供の能力の一部しか見ておらず、この検査で問題なしとされたものの、実は支援を必要としている子供はいる――つまり、検査を受けたばかりに逆に支援を受けられなくなる子供をたくさん作りかねないようなのです。

これは親としてはひとまず安心かもしれませんが、長期的には問題の放置につながるため、恐ろしいことだと思います。

WISC検査には、絵を写すなどの再現力を測る検査や、答えのない問題に取り組ませて思考の柔軟性を確認する検査はなく、WISC検査でIQは高いけれど融通が利かない、IQは低いが要領がいい、という子供の特徴は見落とされがちなようです。

特に怖いなと感じたのが「知的に問題ない」と判断され、問題が見過ごされる可能性です。

 

「知的に問題ない」の危険性

WISC検査で「知的に問題ない」と判断されたものの、実は子供が問題を抱えている場合、「怠けているだけ」「育て方が悪い」など、子供への指導が厳しくなる可能性があります。

知的に問題ないとされながら、実は「知的なハンディ」をもった子供たちがたくさんいる、と筆者は考えています。

 

知的なハンディに気づかれず、厳しい指導を受けたり、問題を起こしたために不要な投薬をされたりと、根本的な問題が見過ごされたために、二次障害をもたらしたり、不要であったはずの入院を強いられることもあります。

特に少年鑑別所でこれが起こると、知的なハンディを抱える少年は理解されないまま、暴れるなどの行動を繰り返し、少年への処分は厳しくなる一方で、精神薬の投与もありえます。

知的なハンディに気づいてもらえずに、うつ病や精神科疾患を発症するまで厳しい処遇で追い詰められると、出院後にもともと必要でなかった精神科への通院を余儀なくされてしまいます。

 

現在のWISC検査に頼る方法では、知的なハンディをもつ隠れた子供たちは見つけられないため、筆者が勧めているのが、前半で紹介した「コグトレ」というトレーニングです。

 

実際にIQが80で「知的に問題ない」と判断されたものの、少年院で問題の多い少年に、図形を写してもらったり、簡単な計算をしてもらったりしたところ、いずれもできず。その後、WAISという正式な個別式知能検査を実施したところ、IQが60台だったことが判明した事例が紹介されています。

✔今日から取り入れられるコグトレ

 

学校の場合、指導内容を先生個人の判断で変更することはできませんが、コグトレなら朝の会や帰りの会の5分を使ってできます。

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1日5分で子供の未来を変える

本書は多くの非行少年と接してきた経験をもとに書かれた本です。

社会全体で「困っている子供たち」を助けるために効果的なのは、学校でコグトレなどのトレーニングを導入し、子供のサインに気づいてあげることです。

非行に走る少年たちの家庭は何らかの問題を抱えているため、子供のサインをキャッチできる場所としては、学校以外にはないだろうと思います。

一方で、個人レベルで子供が勉強についていけず悩んでいる場合は、親が自宅でコグトレを子どもにやってもらうのがベストだと思います。

この記事を読んで、少しでも興味がわきましたら、この本をぜひ読んでみてください。

800円で子供たち・日本の未来が大きく変わる可能性があります。

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