公文算数|繰り上がり・繰り下がりを書かせないのはなぜ?

 

 

公文算数で繰り上がり・繰り下がりのメモを書かせないのはなぜ?

 

今回のブログ記事では、この問いについて考えてみたいと思います。

 

私の結論は、

● 繰り上がり・繰り下がりを書かせないことで、

ワーキングメモリーが鍛えられ、暗算力がアップするから

● (かけ算・わり算では特に)子供が計算の工夫をするようになり、

結果的に思考のトレーニングになるから

 

息子(小1)は現在C教材に入ったばかりで、2桁のかけ算はこれからですが、

繰り上がり・繰り下がりを書かずに、工夫して取り組んでいってもらいたいたいと思っています。

B教材のたし算・引き算も繰り上がり・繰り下がりを書かず取り組みました

公文算数|繰り上がり・繰り下がりを書かないのはなぜ?

私は次の理由だと考えます。

●メモを書かずに頭の中で考えることで、暗算力を鍛えられるから

●暗算する過程で、計算を工夫する(=思考のトレーニングになる)ようになるから

ワーキングメモリーを鍛えられる(=脳のキャパシティが広くなる)から

 

上記の理由で、メモをさせずに計算させる公文のやり方に賛同しています。

 

このように言うと、

間違えないことが大切。繰り上がり・繰り下がりのメモをすれば確実だし、間違えない

という考えもあると思います。

 

これについて私は、

5年生くらいまでは、ミスを恐れずどんどん暗算させる方が長期的にメリットがある

 

と考えています。

 

というのは、

暗算で得られる試行錯誤力思考力工夫する力こそが、

算数の教科で培いたい力(の1つ)だと考えるからです。

 

具体例をあげて説明しますね。

暗算してこそ計算を工夫するようになる

たとえば、

35×14

 

という問題。

繰り上がりのメモをせずに、頭の中で考えると、下記のようにいろいろな解放パターンが考えられます。

35×2=70 → 70×7=490

35×10=350 → 35×2×2=140 → 350+140=490

14×5=70 → 70×7=490

 

頭の中で分解してかけ算していく方が、筆算よりもずっと早く計算できないでしょうか?

しかも、このような問題では、繰り上がりのメモをしない方が計算ミスする可能性も低いと思います。

 

もちろん、最初から上記のように工夫する方法を思いつくとは限りません。

一時的には計算ミスする可能性はあるでしょう。

 

ですが、便利な「メモ」をあえてしないことで、

限られた武器で考えるよう子供は工夫します

 

これが算数の醍醐味、思考だと思います。

公文のいう「暗算力をつける」の背景には、こうした意図があるのだと思っています。

 

逆に、最初に確実に正解できる、楽な方法を教えてしまったら、

子どもは工夫したり、発見したりする機会を奪われてしまいます

 

上記の理由から、公文が繰り上がり・繰り下がりでメモさせない方針だと知ったときは、

すばらしいと思いました。

 

公文の先生に理由を聞いてみると、

これができるかどうかで、その後の伸びが違う

とおっしゃっていました。

 

わたしは、算数は思考のトレーニングをする教科だと思っています。

答えがわかればいい・正解を出すことがいい

のではなく、

 

どれだけ頭を回転させて考えたか?

1つの方法がダメだったとき、別の方法を試すなど試行錯誤できるか?

 

思考の持久力をつける教科だと思っています。

頭をフル回転させているなら、5年生くらいまで計算ミスしたってOKです。

 

計算をたくさん繰り返すことで、

途方もない面倒くさい工程を経て、ある時、

ふっと新しい気づきをし、それが喜びとなり、考えることが楽しくなるのだと思います。

 

 

このように考えると、学校で繰り上がり・繰り下がりのメモをさせるのは、

落ちこぼれる子が出ないようにするためだと考えられます。

 

学校はすべての生徒が最低限の水準をクリアすることに注力しますので、

理想は思考力向上ですが、現状ではすべての現場に余裕があるわけではありません

思考力を伸ばすやり方よりも、みんなが確実に計算力をつけられる方法を取り入れるのは理にかなっています

公文と学校の指導の違いに遭遇したらどうする?

公文算数をやっていて想定されるのが、

公文では繰り上がり・繰り下がりを書かないのに、

学校では書かないとカンニングしたとみなされる、書くように指示されることです。

 

息子は現在小1で、学校の授業は繰り上がり・繰り下がりを書く段階に進んでいませんので

この問題には遭遇していませんが、やや心配しています。

 

もし、先生に繰り上がり・繰り下がりを書くように強く言われたら、

 

メモしないやり方が定着していること

暗算することで工夫する力・思考力を鍛えたいこと

 

を先生に伝えて、理解を求めるつもりです。

 

わたしは「公文でこう習っているから」を理由に挙げるよりも、

繰り上がり・繰り下がりのメモを書かないことで得られるメリットを具体例をあげて説明すれば、

先生はわかってくれると思っています。

 

それでもダメだった場合のことは‥‥考えたくないですね…

息子に学校は学校で、公文は公文のやり方でやろうとは言いたくないです。

周りに合わせるために、画一的なやり方で、不要なことをするのはおかしいと思うからです。

 

もし…学校側が理解してくれなかったら、真正面から抗議するかもしれません。

起きていないことなので、あまり考えたくありませんが。

公文算数の是非を考えるうえで参考になる教育本2冊

この記事で書いたことは、下記2冊を読んで考えたものです。

この2冊は公文算数の是非を考えるうえで、大変参考になりました。

 

ネット上には(私のブログを含め)経験者のいろいろな意見がありますが、

経験者の声を参考にする前にこの本を読んだ方が100倍参考になるのは間違いありません。

 

これらの本を読まずにいたら、自分は子供の算数教育にどう臨んでいただろう‥‥と思うとぞっとします。

 

数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)

数学に感動する頭をつくる (ディスカヴァー携書)

栗田哲也
990円(12/26 21:18時点)
発売日: 2011/08/15
Amazonの情報を掲載しています

 

人気講師が教える理系脳のつくり方」は入手が難しいかもしれませんが、

数学に感動する頭をつくる」はKindle Unlimitedで読めます(2021年6月時点)。

 

 

おすすめ記事

 

公開日:2021年6月4日