子供の教育に3Dプリンタは必要?アメリカのSTEAM事情を交えて考える

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自宅で3Dプリンタを使い始めて約半年経ちました。

ある日突然、母親が謎のマシーンを使い始め、子供は「?」だったと思います。

4歳の子供にとって3Dプリンタはすっかり生活の一部になりました。

まだ自分でモデリングはできませんが、博物館などに出かけて、「3Dプリンタがあるみたいだよ」というと、必ず「見たい!」と飛んでいきます。

えいやと購入した3Dプリンタ。

子供のために導入するってどうなの?子供に3Dプリンタは必要なの?と思う方もいらっしゃると思います。

今回は、我が家に3Dプリンタがやってきてからの子供の反応と、アメリカ事情をご紹介します。

我が家で造形した3Dプリンタ作品

現在のところ、主に恐竜などのおもちゃを造形しています。

ジオラマに乗っている3Dプリンタ作品

子供の反応

3Dデータを選ぶのを楽しむように

現在は主にネット上にある無料データをダウンロードして造形しています。

以前は私がデータを選んでいましたが、休日の時は、膝の上に乗ってたくさんあるデータの中からプリントしたいものを一緒に選んでいます。

たとえば、私が良く使うのはThingiverseというサイト。

英語で恐竜と入力するとこのような検索結果がでてくるので、子供がプリントしたいものを選びます。

出典:Thingiverse

 

造形の様子を観察する

プリントの様子をずっと見ていることがあります。

 

布団を敷き、くつろぎながら鑑賞。

 

なぜかエプロンを着け始めたり・・・

 

ある時、「保育園に行くまで見ていたい」というので、朝プリントすることもありました。

ある日の朝「家を出るまで3Dプリンタを見ていたい」と息子

(私は在宅で仕事していますので、出発までにプリントが終わらなくても問題ありません)。

 

一番最初の3Dプリンタ(現在は熱溶融タイプは3台目を使っています)が我が家で初めて稼働した日も、私の膝に座ってずっと眺めていました。

1台目の3Dプリンタで造形したミキサー車

3Dプリンタミキサー車を手に取る息子の手

子供が偶然私のブログを見た時、真っ先にロゴアイコンが3Dプリンタで作ったミキサー車であることに反応していました。

 

1台目は故障してしまいました。子供は時々「あの水色の3Dプリンタ、壊れちゃって悲しいね」といいます。

トラブルなく働き続けているFlashforgeのAdventure3については、「あの白い3Dプリンタは一番優秀だね」と言っています(笑)

 

外から帰ってきて、3Dプリンタが動いているのを見ると、必ず造形の様子を見に行きます。

3Dデータのモデリングには別の楽しさがあると思いますが、それがまだできなくても、造形の様子を観察するのは楽しいことのようです。

モノを作る概念を知る

ある時、父親が子供と出かけた時、子供がこんなことを言ったそうです。

「これも3Dプリンタで作れそうじゃない?」

何を見て言った発言かは忘れてしまったようですが、3Dプリンタでモノが作られる大体のイメージが子供の中に出来上がっているようでした。

 

以前、タミヤ主催の親子3Dプリンタ教室に参加した時も、スタッフの方たちに盛んに聞いていたのが「これも3Dプリンタで作ったの?」

 

脳がまだ柔軟な時に面白いテクノロジーに触れさせてあげると、子供は親が思っている以上のことを吸収しているのでしょうね。

私の脳はいろいろな既成概念で凝り固まっている部分があります。考える習慣をつけようと努力していますが、「考えない」習慣は結構しぶといです。

脳がまだ柔らかいうちに、アイディアを形に変えるツールに触れることで、「このマシンでこんなことができるかもしれない」という発想が生まれるのだと思います。まだ4歳なので、これからどんなアイディアを思いつくか、今から密かに楽しみにしています。

これは別に3Dプリンタを買わなくても実現できます。

自分のアイディアを形に変えるのは、むしろ3Dソフトと言っていいと思います。頭の中の漠然としたイメージを、いろいろなパーツを組み合わせたりくり抜いたりしながら、アイディアを可視化していけるのがモデリングです。

これなら無料で使えるTinkercadなどの3Dソフトを自宅でいじれば、体験させてあげられます。

 

自分で作ったデータが手で触れられるモノになるのはまた別の喜びのはず。ここは息子はまだ未体験です。

子供がTinkercadをいじれるようになって、もし夢中になったら本人に聞いてみたいですね。

3Dプリンタで初動力が上がる?

3Dプリンタには2つの特徴があると思います。

①空想を見える化(データに)するプロセス(モデリング)

②データをモノに変えるプロセス(造形)

 

どちらにも、「試す」→「失敗する」→「原因を分析する」→「改善する」→「再度試す」というプロセスが存在します。

3Dプリンタは試行錯誤を繰り返せるツールということですね。

これは私の推測ですが、モデリングと造形両方を体験できる3Dプリンタによって、初動力が上がるのではないかと思っています。

 

有名なfacebookの創始者ザッカーバーグは、優秀なプログラマですよね。彼が成功したのは「優秀なプログラマ」であったからというより、アイディアを実行する力があった、つまり初動力が飛びぬけていたからだと思います。

3Dプリンタは、子供がアイディアをデータにし、データを形にできるか試し、もしうまくいかなければ「なぜだろう?」と考えるきっかけになります。たくさんの失敗ができるツールです。

本人が興味がなければ、あるいは年齢的にまだ難しければ強制できませんが、一度興味のスイッチがONになれば、自分からいろいろな試行錯誤をするようになるかもしれません。

興味のスイッチON→いろいろ試すという経験を積むことで、「とりあえずやってみよう。失敗したらまた考えればいいから」と初動力が上がっていくと思っています。

失敗の数が経験値になり、失敗をもとに別のアイディアを試してみたくなるーこのサイクルが習慣化したら、子供は自分から勝手に勉強するようになるでしょうね。

アメリカの事情

ちょっとここでアメリカの状況を見てみます。

STEAM教育はアメリカで提唱された概念ですよね。

STEAM教育とは、科学(S)、テクノロジー(T)、技術(E)、アート(A)、数学(M)の頭文字をとって、言いやすい順番にならべた略称です。以前はSTEM教育と言われていましたが、アート(A)が加わりました。

科目の垣根を超えて、自由に行き来して考えられるようになることを目指す教育概念です。

そんなアメリカで3Dプリンタがどのように教育に導入されているか気になりますよね。

 

これは、授業でどのように3Dプリンタを活用するか、教師を対象とした資料からもってきた画像です。

メディカル、科学、工学、地理、グラフィックデザイン、食品工学、歴史、建築、デザイン工学の授業で、3Dプリンタを活用した学び方が紹介されています。

出典:student-centered 3d printing

 

現在どれだけの学校に導入されているか正確なデータは未入手ですが、2017年にMakerbotが公開した教育用の3Dプリンタ活用ガイドによると、全米で5000校以上にMakerbotの3Dプリンタが導入されています。

Makerbotの3Dプリンタを導入している学校数ですので、実際はもっと導入されていると思われます。

出典: MakerBot Industries

その中で、「どの科目で3Dプリンタを使っていますか?」という質問に対する回答結果がこちらです。トップ5はSTEAM科目。

出典: MakerBot Industries

 

使う頻度に対する回答。

出典: MakerBot Industries

 

これは公式データではありませんし、母集団の数も記載されていませんので、このデータだけで判断できませんが、アメリカの教育現場に導入が進んでいる1つの参考データになると思います。

アメリカで暮らす甥っ子(小学3年生)に聞いてみたところ、4年生になったら一部の生徒は3Dプリンタの授業があるとのこと。英語力の壁で正確に聞き取れていませんが、小学校から3Dプリンタが使われているようです(次回会う時はもっとリサーチしてきます)。

 

プログラミングの波がアメリカから来たように、アメリカの教育でブームになるものはいずれ日本にやってくるでしょうね。

これはUSAmazonで販売されている子供を対象とした3Dプリンタの本です(2014年に出版)。

出典:Amazon

本の紹介文にある1文から、STEAMをテーマにしていることがわかります。

Eighteen fun and challenging projects explore science, technology, engineering, and mathematics, along with forays into the visual arts and design.

面白くてやりがいのある18個のプロジェクトを通じて、ビジュアルアートとデザインを交えながら、科学、テクノロジー、技術、数学を探求します。

 

本題からずれますが、高評価のレビューが多かったので、購入しました。届きましたらご紹介します。

 

私の本音

上記より、アメリカでは3Dプリンタを教育場面で活用するのはすでに当たり前であることがわかりますね。

日本では、子供の教育に3Dプリンタを導入している学校や民間のスクールはまだごく一部です。

子供が3Dプリンタにはまったらどんな面白いアイディアを思いつくかな?と楽しみにしている面もありますが、3Dプリンタは建築、自動車、航空、医療と既にいろいろな産業に導入されていますので、小さい時からこのテクノロジーに触れておいた方が、予測しづらい時代を子供が生き抜くのに役立つだろうと思っています。

もっと正直に書きますと、3Dプリンタに小さい時から触れ、使いこなす海外の人材が今後増えていくことを考えると、このツールが子供の成長にどう役立つかわからなくても、とりあえず子供に選択肢だけは提供してあげなくては、というのが本音です。

すぐに対応しなくても当面は大丈夫だけれど、時間の経過とともに着実にきいてくるボディブローのような影響力があると思っています。

最低限の適切なガイドはしてあげなくてはという理由から、私も日々勉強しています。

ただ、3Dプリンタはツールなので、使い方を学ぶことを目的とするのではなく、子供の興味を引き出すことに注意しています。子供が興味を示さなければ、強制しません。

試行錯誤ができるという点では、3Dプリンタもプログラミングも似ていますよね。どちらもツールであって学ぶことが目的ではありません。ツールはあくまで、何ができるか?を考えるきっかけになるもので、結局のところ、どれを選ぶかは子供の好奇心にあわせて、プログラミング、3Dプリンタどちらでもいいと思います。

何かに夢中になって、初動力を高めていければ、後のことはくっついてくるのではないでしょうか。

我が家では、母親の強い興味も加わり、3Dプリンタを選びました。

この本にヒントが隠されていそうですので、読んだらご紹介します。また、子供の変化も随時お伝えしていきます。

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【参考】

Makerbot Educators Guidebook

student-centered 3d printing

 

 

 

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