【中学受験】サピックスとエルカミノ、どちらにする?【違いを比較】

中学受験するならサピックスとエルカミノどちらがいいのでしょうか?
うちはエルカミノを選びました。今後もエルカミノにお世話になるつもりです。
この記事では、
中学受験するなら、サピックスとエルカミノのどちらがいいのか?
どういう基準で選ぶべきか?2校の合格実績はどうなのか?
深堀り比較してみました。
サピックスとエルカミノを比較【7つの違い】
サピックスは低学年からクラス分けテストがあるが、エルカミノはない
サピックスは1年生からクラス分けがありますが、エルカミノは4年生までクラス分けはありません。
サピックスでは低学年では2か月に1回、3年生あたりから毎月1回クラス分けがあり、保護者によっては一喜一憂したり、プレッシャーを感じて焦ったりすることも。
一方、エルカミノは3年生までは入塾テストもなし(体験であまりについていけない場合は、塾が入塾を勧めないことがあります)。4年生からは入塾テストに受かる必要があります。
以前はクラス分けはありませんでしたが、現在は5年生からクラス分けをしています。
算数はエルカミノの方が難しい
口コミを見る限り、エルカミノの方が算数レベルは高いようです。サピックスに通っているけど、算数だけでエルカミノに通う人もいます。
エルカミノは算数が得意な子、算数が好きで仕方ない子がいく塾ともいえます。
エルカミノ高学年では難しい問題が出題されたときに、手持ちの武器で試行錯誤できる力が求められます。このベースづくりを低学年に徹底的にやります。低学年の算数の授業は、ひたすらパズル問題だけに取り組み、板書による解説すらありません。
これを見て、自宅でできると判断する方もいますが、実は40分間集中し、試行錯誤するトレーニングであり、高学年への「体力づくり」になっているのです。
サピックスの授業では低学年でパズル問題のほかに、先取り的な計算問題もやりますが、エルカミノでは計算はすべて自宅での宿題のみ。授業中はパズルに延々と黙々取り組みます。すぐに正解がわからなかったときにどれだけ粘り強く取り組めるかを、1年生から鍛えるのです。
息子はこのパズル時間が好きで、毎回「授業時間が短い」と言っています。
サピックスは大規模、エルカミノは小規模
サピックスは1クラス15~20名で、エルカミノは1クラス12~15名ほど。エルカミノの方が1クラスは少ないです。
サピックスでは1学年で複数クラスありますが(大規模校舎では6クラスあることも)、エルカミノでは1学年1クラス。全体的に少数体制です。
エルカミノもサピックスも「ウサギ」のための塾
エルカミノもサピックスも、中堅狙いではなく、御三家など難関を狙う子が行く塾です。
エルカミノの村上先生は著書の中で、エルカミノを「カメ」ではなく「ウサギ」を伸ばすための塾だとはっきり書かれていました。
つまり、できる子・優秀な子が堂々と「勉強大好き」といえる場所、難問を解けたときに「やった」と言っても茶化されない場所です。

サピックスも、「ウサギ」のための塾だと思います。
サピックスについていけず、サピックス廃人になる人が後を絶たないのは、サピックスに対して正しい認識ができていないまま、大部分の選択につられて、サピックスを選んでしまっているからともいえます。
緊張感はエルカミノ<<<サピックス
一度でもエルカミノの校舎へ行くとわかりますが、緊張感はあまりなく、やや雑多な印象です。スマートで洗練された場所を想定していくと、「あれれ。。。」となると思います(笑)
クラス分けもありませんので、1年生からクラス分けが当たり前のサピックスよりも、アットホームな雰囲気です。
競争心のある子、上位クラスを目指すことがモチベーションになる子、負けず嫌いな子はサピックスの方が合っているかもしれません。
宿題はエルカミノ<<<サピックス
エルカミノの宿題は多くありません。低学年はパズルを1日1題、国語・算数ドリルを1ページのみ。10~20分くらいで余裕で終わる量です。
パズルの宿題には、10分考えたらおしまいにしてくださいと書いてあります。息子はエルカミノパズルが大好きで、1日で1週間分の宿題を終わらせてしまうこともしばしば。
サピックスも低学年では宿題はそれほど多くありませんが、5、6年生になると終わらないほどのボリュームに。高学年ではエルカミノの方が宿題はほどほどの量です。
エルカミノは休憩あり、サピックスは休憩なし
サピックス6年生は、週1回土曜(75分×4コマ)+週2回(80分×3コマ/日)の週3回通塾で、平日は17:00~21:00。
エルカミノ6年生は、週3回(80分×2コマ)で、17:30~20:20。
サピックスの方が拘束時間は長く、帰宅時間は遅くなります。
また、サピックスはトイレ休憩なしでぶっ通しで授業します。土曜4コマはどうなんだ?と思ってよく見てみると、、、

出典:サピックス
コマの間に休憩時間がない!
土曜の長丁場も休憩なし!
もちろん、トイレに行きたい場合は挙手すれば行けますが、早く戻らないと授業は進んでいきます。
私はこの点だけでも、サピックスに子供を通わせたくないですし、今後もサピックスを選ぶことはありません。子供の集中力って、そんなに続きますか?
どれだけ長丁場やるかよりも、たった15分でも周囲の音が聞こえないくらい集中し、問題に没頭する方が大切ではないでしょうか。
非人間的なシステムに子供を追い込んでいるようにしか見えません。
エルカミノの村上先生は、何時間も勉強付けにすると、「適応能力が高い分、ゆるい緊張のまま長時間勉強することを覚えてしまう」と指摘し、入試本番の40~60分という短時間で高いパフォーマンスをあげにくくなってしまうと書かれています。
トイレ休憩がない⇒授業中に挙手してトイレへ⇒トイレから戻らない(戻りたくない)という悪循環のループを生んでしまう可能性も。
わたしだったら、サピックスから来てくれと言われても(そんなこと絶対ありえませんが笑)、行くことはありません。
すみません、辛口でした。でも本音です。
サピックスとエルカミノの違いまとめ
ここまでをまとめてみます。
サピックス | エルカミノ |
クラス分けがある | クラス分けは5年生から |
算数の難易度:★★★ | 算数の難易度:★★★★ |
大規模 | 小規模 |
できる子向けの塾 | 算数が得意な子向けの塾 |
緊張度:★★★ | 緊張度:★ |
宿題:多い | 宿題:ほどほど |
拘束時間は長め | 拘束時間は短め |
休憩なし | 休憩あり |
負けず嫌いな子、勝ち負けでモチベーションが上がる子にはサピックスは刺激的な場所になりますね。
次に、気になる合格実績を見てみます。
サピックスとエルカミノ|合格実績を比較
2021年度の御三家・難関合格者数から一部を抜粋して比較してみます。
下記で、サピックスもエルカミノも、講習会のみ参加・算数オリンピック講座の受講生は含まれていません。本籍の生徒の実績です。
また、エルカミノは男女の母数がそれぞれ記載されていますが、サピックスは全体数しか記載がないため、エルカミノは性別、全体のそれぞれの合格率を書いています。
開成合格者
サピックス | エルカミノ |
269名/6179名(4%) | 14名/81名(男子)(17%)
14名/98名(全体)(14%) |
麻布合格者
サピックス | エルカミノ |
207名/6179名(3.3%) | 5名/81名(男子)(6%)
5名/98名(全体)(5%) |
武蔵合格者
サピックス | エルカミノ |
61名/6179名(0.09%) | 3名/81名(男子)(3.7%)
3名/98名(全体)(3%) |
桜蔭合格者
サピックス | エルカミノ |
160名/6179名(2.5%) | 3名/17名(女子)(17%)
3名/98名(全体)(3%) |
筑駒合格者
サピックス | エルカミノ |
86名/6179名(1%) | 11名/81名(男子)(13%)
11名/98名(全体)(11%) |
女子学院合格者
サピックス | エルカミノ |
145名/6179名(2%) | 1名/17名(女子)(5%)
1名/98名(全体)(1%) |
合格実績の比較からわかること
比べてみると、エルカミノが少数精鋭であることがよくわかります。
4年生までクラス分けはないものの、高学年になると算数レベルが上がり、ついていけた子が達成した実績といえるでしょう。
おそらく、エルカミノの合格実績の高さは、算数レベルについていけた子によるところが多く、ついていくことはサピックスより難しいように思えます。
サピックスの規模の大きいことにも驚かされます。規模はエルカミノの60倍以上。
息子はまだ1年生で、春からエルカミノに通学しています。4年生以降も通えるかどうか、新小4の入塾テストに合格できるかにかかっています。
エルカミノにするか?サピックスにするか?
大手だからとサピックスを選ぶ前に読みたい本
私はエルカミノの村上先生の本にすごく共感しましたので、最初からエルカミノしか考えませんでした(息子に体験授業に参加してもらい、最終的に息子に決めてもらいました)。
その後、サピックスを知りましたが、詳しく調べれば調べるほど、サピックスはなんとなくで選んではいけない学習塾だと思います。
●中学受験ならサピックス
●みんなが、友達が行っているからサピックス
●御三家狙うならサピックス
●安心できるのはサピックス
など言われますが、内情をしっかり調べないと、お子さんがつぶれてしまう可能性もあると思います。
テキストは素晴らしいと言われますし、サピックスの問題にも定評があります。できるお子さんにはαクラスは特に刺激的な場所です。
ですが、こちらの本を読む限りでは、膨大な宿題に疑問を思わなくなる、処理能力・耐性はつくけど、正解がない問いには向き合えないなど、中学受験での成果と引き換えに、もっと大切なものを失う可能性もあると感じました。
これからサピックスを検討している方は読まれるのをおすすめします。サピックスの良い面ももちろん書いてあります。
エルカミノはコンセプトで選ぶ
サピックスに対し、エルカミノが目指すゴールは中学受験ではなく、もっと先を見ていると感じました。
エルカミノは、低学年では不要な先取りはせず、高学年での土台を築くことを意識したカリキュラムになっています。
先取りしたい親御さん、目に見える効果を感じて安心したい方が、塾のコンセプトを知らずに入塾すると、「こんなこと、うちでもできる」で終わってしまうかもしれません。
詳しく知りたい方は、村上先生のこの本がとても参考になります(目から鱗が落ちまくります)。
この本の算数教育に関するまとめはこちらの記事に書いています。
こちらの本もおすすめ。
低学年でやる算数パズル(導入におすすめだけど、骨のあるパズルばかり。試行錯誤の楽しさに目覚めます)
レビューはこちらに書いています▼
もうちょっとレベルアップしたエルカミノドリル
こちらの記事もおすすめ