九九を暗記しない効果【最初から覚える必要はない】
公文では算数B教材(たし算・ひき算)の途中からC教材に備え、九九を暗記するように言われます。
わたしは下記の本を読んでから、
九九をいきなり暗記させることがよいのだろうか?
思考するきっかけを奪いそうで暗記させたくない
と思っていました。
いろいろ悩んだ結果、
公文のやり方を無視し、九九の暗唱は最初からはさせないことにしました。
代わりに、かけ算プリントを自分なりに考えて取り組んでもらっています。
今回のブログ記事は、
最初から九九を暗記させなかったことで得られた効果
公文先生の「指示」をうまくかいくぐる方法
を中心に書きました。
目次
九九の暗記は必要なのか?⇒最初から必要ではない
九九は最終的には暗記する必要がありますが、
最初から暗記させる必要はないと考えています。
最初から暗記させる弊害として、次のことが考えられます。
●かけ算の理解がおろそかになる
●工夫・発見するきっかけが奪われる
かけ算の理解がおろそかになる
4×5(シゴニジュウ)などの九九を覚えるのは、
4×5=4+4+4+4+4
であることを知り、計算できるようになってからするべきです。
4+4+4+4+4ができないうちに、九九を覚えさせても、
4×5(シゴニジュウ)がどんなプロセスを意味するのか理解できません。
4×5はわかるのに、5×4の答えが思い出せない
という状況も考えられます。
でも、下記のように頭の中でプロセスを理解できていれば、簡単なことで、
先に暗記に頼ろうとするから、考えなくなってしまっているだけです。
工夫・発見するきっかけが奪われる
最初から便利な道具を与えてしまうと、
工夫したり、気づいたりする機会を奪うことになります。
4×5=4+4+4+4+4だと理解できていて、頭の中で繰り上がりの計算ができたとしても、
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_hide=”true” balloon=”scream” balloon_shadow=”true”]九九を早めに暗記させるのはちょっと待ってください![/word_balloon]
と声を大にして言いたいです。
九九を覚えずに公文のプリントに取り組むと、
嫌というほど、頭の中でたし算を繰り返すことになります。
語呂を覚えれば1枚1分で終わりそうなプリントですが、
息子には面倒くさいプロセスを繰り返す中で、自分なりに何かに気づいて欲しいと思いました。
そう決めてから、公文の指示を無視し、九九の語呂を覚えてもらうのを一時的にやめました。
「これでよかったかな?」とハラハラしながら見守っていましたが、
次第に効果が出てきました。
息子の気づき・工夫を次にご紹介します。
九九を暗記させないで得られた効果
かけ算の因数分解に気づいた
ある日、7の段のプリントに取り組んでいました。
7×6の問題に取り組んでいたときに息子が、
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_hide=”true” balloon=”bump” balloon_shadow=”true”]28+14だから42[/word_balloon]
とつぶやいていたのです。
息子にどう考えたのか聞いてみると、
7×6=7×4+7×2
と分解して考えていました。
7を6回足していくより、すぐに答えがでる7×4と7×2を足せばいいと考えたようでした。
数を分解して考えるヒントは出していなかったので、驚きました。
×10の法則に気づいた
九九では×9までしかやりません。
ある日、公文プリントをやりながら息子が
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_hide=”true” balloon=”bump” balloon_shadow=”true”]
ねえ、知っていた?
7×10は70で、8×10は80なんだよ
[/word_balloon]
といいました。
大人にとっては、数字×10=数字に0を加えたもの であるのは当たり前ですが、
この便利な法則も先に教えたくはなかったので触れずにいました。
こういう発見をしたときって、子供が嬉しそうなんですよね。
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” balloon=”bump” balloon_shadow=”true”]
じゃあ、13×10は?
50×10は?100×10は?
[/word_balloon]
など会話がはずみます。
計算の工夫をした
「×10の法則」に気づいたあと、
7×9
の計算アプローチが1つ増えました。
これまでは、
7×9=7×6+7×3 だったり 7×7+7×2
など分解でしたが、
7×10=70 70-7=63
と、10をかけてから導いていました。
たしかにこの方が、格段に速く解けますよね?
便利な道具(=九九)を与えるのは試行錯誤してからでいい
上記で書いた息子の気づき、工夫から、
九九という便利な道具を教えるのは、
子供が汗を書いてから(試行錯誤してから)でいいと思うにいたりました。
誤解していただきたくないのは、
最終的には九九を覚える必要があると思っています。
(うちも、息子が「9の段」のプリントが終わったら、九九を覚えてもらうつもりです)。
2桁、3桁と数が大きくなるにつれて、
九九を覚えていた方が計算も楽に、速くできるからです。
しかし、誰もが必ず覚える道具であっても、
早すぎる提供は、子供の発見、工夫する機会を奪うことになりますので、
最初から暗記させることに私は反対です。
イクウェル(EQWEL)など著名な幼児教室では、
2歳、3歳のお子さんが九九を暗唱している動画が公開されていますが、
本当にやめた方がいいです。
結果的に数字を楽しんだり、発見したり、試行錯誤する機会を奪っているに等しいのではないでしょうか。
こういう必要以上の先取りは弊害だと私は考えています。
先取りについて思うことはこちらの記事に書いています。
公文先生の「指示」をうまくかいくぐる方法
公文に通っているのに
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_hide=”true” balloon=”bump” balloon_shadow=”true”]九九を暗記せずにすむの?教室で九九のテストがあったとき、どうするの?[/word_balloon]
という疑問もあると思います。
結論からお伝えすると、
コロナの感染防止を理由に、通学を在宅学習に切り替えることで、
先生が九九のテストをするタイミングを遅らせることができました。
公文の先生にお願いしたけれど、ダメだった話
公文ではB教材に入ったあたりで、九九カードを渡されます。
C教材からかけ算が始まりますので、
どの教室でもC教材に入るまでに、九九を覚えたり、テストしたりがあるかと思います。
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_hide=”true” balloon=”bump” balloon_shadow=”true”]九九を覚えてください[/word_balloon]
と言われた時、
ことを伝えました。
しかし、先生からは「覚えてください」と言われました。
公文がこう言うのにはちゃんとした理由があります。
小学2年になれば、学校でいずれ九九を覚えるからです。
先生は、最終的に学校で語呂を覚えさせられるので、
それならば始めから覚えておく方がスムーズだというお考えでした。
先生のいうことももっともかな…と思い、
最初は九九を覚えてもらおうと思いました。
しかし….
息子は楽しくなさそうですし、
九九を最初に覚えることが日に日に疑問になってきました。
最終的に、
[word_balloon id=”1″ size=”M” position=”L” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_hide=”true” balloon=”bump” balloon_shadow=”true”]かけ算を繰り返すうちに、気づいたら覚えていたという状態になってから、九九を覚えるのでいいよね、[/word_balloon]
と、夫も私も考えが一致しました。
公文|先に九九を覚えたくない方は在宅学習がおすすめ
公文は通学と在宅を選べますので、
最初から九九を覚えさせることに疑問を感じる方には、一時的に在宅学習にするのをおすすめします。
うちは結構自由にしており、
最初は週2回通学していましたが、
⇒ コロナをきっかけに在宅学習
⇒ 週に1回ペースで通学再開
⇒(息子が自宅学習がいいというので)2週間に1回
⇒(九九を覚えるタイミングを遅らすために)在宅学習
など、都度、先生にお願いしてスタイルを変更させてもらっています。
学習状況をうかがう電話は最初はありましたが、今ではありません。
教室が柔軟に対応してくれない部分は、
教室に行かないことで、うまくごまかしてなんとかなっています。
公文は否定的にいわれることもあり、
「九九を覚える」もその1つかもしれません。
ですが、公文に丸投げせず、親が子供の取り組み過程を観察して、
家庭の教育方針や必要に応じて、公文のやり方をアレンジすればいいと思っています。
九九の語呂覚えをやめてから、
息子は九九のプリントに取り組んだ後、
「楽しかった」と言うことが増えました(毎回言うわけではありません)。
おそらく、覚えさせたら楽しくないと思います。
公文は繰り返しが多く、計算ばかりと批判されがちですが、
あまり知られていないすばらしい側面もありますので、
うまく活用しながら、頭をなるべく使う方法を家庭で模索していくのがいいと思います。
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