教育ITソリューション2019参加レポー中国のSTEAM教材を中心にご紹介-
教育ITソリューション2019に行ってきました。
学びNEXTゾーンで多かったのがプログラミング教材。今回は中国のSTEAM事情を知りたかったので、中国ブースを中心に回りました。そしてお土産をいただきました。
記事の中で触れていますが、来年の教育ITソリューションでは3Dプリンタのブースが増えると思います。
年ごとの変化を確認するためにも、一部ではありますが、見てきたものをご紹介します。
目次
アーテック社のプログラミング教材
学びNEXTゾーンで目立つのはやはりプログラミング教材でした。
その中でも、特に大きくて目を引いたのがアーテック社のブース。
写真は小学校向けのプログラミング推奨セット。
小学校にはこれまでにも電気の授業はありましたが、プログラミングを導入することで、発電してためた電気がLEDが光る様子を体験できます。
アーテックの特徴は、キットに加え、必要なパーツを個別販売していること。他社では、カリキュラムに応じて何かを追加したくても、それが含まれるキット一式を購入しないといけないようですが、アーテックは必要な部分だけのオプション購入が可能のようです。
これはアーテックと学研がコラボする「もののしくみ研究室」のブースにあった、水洗トイレロボットです。
プログラミングとブロックを組み合わせて、身近なものの仕組みを学びます。子供でもやり方を伝えてあげれば、こういったものを作れるようです。
手をかざすと蓋が開き、水の代わりにLEDライトが光ることで、水洗トイレを再現しています。
プログラミング教育はセンサーやモータに小さい頃から触れて、身近な製品にもセンサー、モータ、アクチュエータなどが使われていることを体感できるツールにもなりますね。
「〇〇したら〇〇になる、では△△するためには□□すればよいだろうか?」といった、論理的思考力を培うのはプログラミング教育でなくてもできると思います。
小学校向けの教材を見ていると、センサー、モータ、コンデンサーといった工業技術の基本となるものに子供のころから触れるという面の方が大きいのかなと思いました。
スウェーデン発・STEAMのすべてを体験できるストロービーズ
今回一番注目したのがストロービーズ。ストローと4種類のコネクタでつなぐことで、STEAMのすべてのカテゴリーを体験学習できるキットです。
これにプログラミングを組み合わせたものが写真でお示ししたもの。じゃがいもを握ると、人間の電気を検知してストローが動く仕組みです。2人の人間がそれぞれじゃがいもを握った状態で握手しても、電気が流れます。
動画でご覧ください(4秒)。
ストロービーズは、ブロックの組み立てでは実現できない、より大きな動きを再現できますね。組み合わせ方を変えれば、立方体、多面体を作れるので、数学の教材にもなります。
スウェーデン発のSTEAM教材で、世界各国ですでに4万個販売されています。日本での販売はこれからとのこと。自宅に導入するなら、プログラミングロボットよりもストロービーズかなと思いました。
あのコネクタを3Dプリンタで作ったら、さらにSTEAMですね。自宅でやってみます。
目が離せない中国のSTEAM教育事情
中国ブースWEISTEKでは、STEAM教育での3Dプリンタの活用状況について聞いてみました。
中国語でのやりとりでしたので、一部聞き間違えがあったら申し訳ないですが、
中国では高校1年生から3Dプリンタの授業が選択必修になっているとのこと。具体的な数値はわかりませんが、小学校、中学校にも導入されており、特に浙江省で盛んなようです。浙江省といえばアリババ。北京ではないの?と思いましたが、北京は保守的のようですね。
中国でSTEAM教育の現状をチェックする場合、浙江省の展示会に行くのがよいと思いました。
どこかで見たことある3Dプリンタだと思ったら、Minitoyでした。
Minitoyは世界最大規模の家電見本市CESで最優秀3Dプリンタ賞を受賞している3Dプリンタで、STEAM教育用の3Dプリンタとして欧米30か国で販売されています。日本はというと、導入はこれから。現在、代理店を募集しています。
フィラメントをいただきました。使用感をブログでご紹介します。
STEAM教育は中国が日本より先に行っていると思います。どれくらい先行しているかわかりませんが、欧米に加え、要チェックであることは間違いありません。
これは改めて記事にする予定ですが、
文科省は先日、中央教育審議会の教育課程部会を開きました。そこで示した教材整備指針の改定案によると、中学校の指針に3Dプリンターが追加されました。
これは、今のプログラミング教育のブームの次に、3DプリンタのSTEAMブームがやってくるということですよね。しかし、中国ではすでにSTEAM×3Dプリンタは国レベルで当たり前なんですよね。このあたりの最新情報を、一度中国の展示会で聞いてきたいなと思っています。
これは別の中国ブースに展示されていた、pH計とプログラミングを組み合わせたもの。異なる溶液に入れると、手前のディスプレイに表示されるpH値が変わります。
他に傾斜度計測などのプログラミングキットがありました。
Makeblockの遠隔ロボット
深圳に本社を置くMakeblockのブースでは、遠隔操作できるプログラミングロボットがありました。
左側のロボットの動きに合わせて、右側のロボットが同じ動きをします。ブロックの組み立て方を変えることで、ロボットアームのほか、いぬ、へび、ゴリラなど様々なものを表現しながら、遠隔操作を体感できるロボットです。対象は14歳から。機械学習を通じて、医療ロボットの仕組みを学ぶツールにもなりますね。
紙の上を進むロボットはよくありますが、これは場所に応じて目が変わるプログラミングロボットです。
病院につくと、目が病院マーク「+」に変わります。これもMakeblock社ブースにあったもので、日本への導入はこれからです。
船舶の沈没事故がなくなる!?
小さなブースで面白いものを見つけました。ものの重心を検知する装置です。三次元物体の重心を検知する装置は世界初とのことです。
揺らすだけで、瞬時に重心を見つける装置。何がすごいのか?というと、トラックの横転事故や、船の沈没を防止するうえで有効なのです。例えば車体の揺れをセンサーで測ることで、重心を検知。早い段階で、ドライバーに横転危険度を伝え、横転を防止します。
ペットボトルに水を入れて重心を検知したりと、子供の授業でも活用できます。
特許も取っています(計9件)。子供向け教材が完成されたらぜひ見てみたいですね。
VRをぜひ体験したかったのですが、時間切れで体験できませんでした。VR、ARについても今後調べていきたいと思います。
関西では秋に初のSTEM教育EXPOが開催されますね。
私が受けた教育とは大きく異なっている昨今の教育事情。親として、こういった展示会へ足を運ぶのは必須だと感じました。
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