Risu算数の知られざるデメリットを解説【うちが本契約しない理由】
すごく評判の良い算数タブレットRisu。
タブレット使用者の口コミはあふれていますが、
息子が体験してみて、
算数の力を伸ばすうえで重大なデメリットがあると感じました。
この記事では、算数教育の観点から見た
Risu算数のほかでは語られない重大なデメリットについて書いています。
辛口コメントになりますが、
Risu算数の開発会社が目指すものには賛同しており、
ユーザー数がこれから伸びていくこと、影響力の大きさから
今後改善してほしいという願いをこめて、あえて辛口で書いています。
目次
Risu算数の知られざるデメリット【重要】
もっともよろしくないと思った点は、
解法を先に教えてしまうことです。
たとえば、
という問題。
Risu算数では次のような解説があります。
14を10と4に分けて考えます。
28+10=38をしてから、
38に残りの「4」を足して、42を導きます。
これのいったいどこが問題なの?と思われるかもしれません。
学校の授業についていくため、落ちこぼれを防ぐ方法としてはありですが、
算数脳の芽を開くきっかけを取り去る、逆効果なやり方だと私は思います。
なぜなら、算数における暗算は、自分で考え、試行錯誤のすえ
いろいろな解法を見つけるプロセスを含みます。
どうすれば楽に計算できるのか考えることで、考える訓練になるのです。
解き方を先に教えることは、考えるきっかけを子供から奪うことに等しいです。
理系能力を伸ばすためには、次のように、子どもが苦労して、いろいろ試行錯誤して、解き方を思いつく、というプロセスが大切です。
難関中学校に高い合格実績を出して口コミで有名になったエルカミノの村上先生も、
便利な解き方を先回りして教えないことの大切さを指摘されています。
先ほどの28+14という問題は、ほかにもいろいろな解き方があります。
先に20+10=30を解いてから
残りの8+4=12を導き、
30+12=42とすることもできます。
28+2=30を導いてから
30+12=42と答えることもできます。
算数は、正解は1つに対しいろいろな解法があることが醍醐味であり、ほかの教科にない特徴です。
考えるトレーニングを子供のやる気・興味次第でいくらでもできる教科です。
計算問題=思考力不要と思われがちですが、そんなことはありません。
暗算は解法が1つでないゆえに、頭を使うトレーニングになります。
それなのに、なぜ解法を先に教えてしまうのか?
残念でなりませんでした。
Risu算数には先生によるチュートリアル動画がついていますが、動画でも解法を先に教えていました。
この点で公文算数は、細かく教えない点で、子供の算数脳を伸ばすには良いと感じました。
公文では下記のような筆算では、足し算、引き算、かけ算でも繰り上がり・繰り下がりは基本的に書かせません。
書かせない理由はこちらの記事に書いています⇒公文算数|繰り上がり・繰り下がりを書かせないのはなぜ?
息子は慣れるまではひいひい言いながら取り組んでいましたが、
次第に頭の中で因数分解をするコツをつかみました。
たとえば、
136×8という問題でも、
繰り上がりを書かないのが基本なので、頭の中で100×8+30×8+6×8の暗算をしています。
この場合、
130×8+6×8でもいいですし、
100×8+36×8と求めることもできます。
2465×7のような、桁数の大きな問題でも、公文では繰り上がりを書かずにまず挑戦させます。
子どもは、便利な道具(この場合は”繰り上がり”)を与えられなければ、みるみるワーキングメモリーを強化していきます。
うちでは解き方のヒントはよほどつまずかない限り、教えません。
2465×7のような4桁×1桁の問題でも、同様に繰り上がりは書かず、頭の中で暗算しています。
Risu算数では、最初から1つの解法を教えてしまうので、子供が苦労したり、考えたりするきっかけが奪われてしまうのでは?と思いました。
粘り強さ、試行錯誤力、思考力が本当につくかについて、正直なところ疑問が残ります。
短期的には成績はあがるでしょう。でも、それに意味があるとは私は思いません。
今の時代は自分で問いを立てて考える、ゼロから1を生み出す力が求められます。お膳立てされた教材で、算数脳が鍛えられるかについて、私は疑問を感じました。
Risu算数のほかのデメリット
ここからは些細な点ですが、使用したうえで感じたデメリットをご紹介します。
上記で書いたことに比べれば、どれも使用感・使い勝手に関するもので大したデメリットではありません。
一度クリアした問題を解いてしまい進まない
Risu算数では最初に実力テストがあります。
30分~45分かかるもので、この結果に基づいて最初のステージが決められます。
さすがAIを導入しているだけあって、
正解すればするほど、難しい問題が出題されます。
実力テストの結果に基づき、クリアしていると判断されたステージは「クリア済み」と表示されます。
公文のように決められた進度で学習が進むのとは対照的です。
しかし、実力テストの結果、難しいステージに進むことはできるという判定でも、
子供はすでにクリアしている簡単なステージをやりたがり、
なかなか前へ進めないことがあります。
公文と違い、どのステージに取り組むかは子供が決められるので、
クリア済みの簡単な問題ばかり解いてしまうことがあります。
クリア済みステージを復習用に解けるようになっている点はすばらしいですが、
これは裏を返せば、簡単な問題ばかり選んでしまうというデメリットでもあります。
紙よりも回答入力に時間がかかる
通常のプリント学習より、回答にすごく時間がかかると感じました。
入力は基本的に、手でもタッチペンでもできます。
回答を入力後、画面下の入力画面をいったん閉じてから「こたえあわせ」を押さないといけません。
これが時間のかかる要因になっています。
「こたえあわせ」ボタンを最初から別の場所に設置し、
数字の入力画面を消さなくても、答え合わせできるようにすればいいのにと見ていてもどかしく感じました。
同じ問題を解くのに、プリントに鉛筆で書く場合と比べて2倍はかかっていました。
運筆力がつかない
これは当然ですが、運筆力はつきません。
Risu算数のメリット
ここまで辛口で書いてきましたが、
Risu算数には他教社材にないメリットもあります。
子供別のつまずきを取りこぼさない
Risu算数は、
- 忘れてしまいがちなタイミングでの復習
- 間違いが多かった問題の復習
をミックスして復習を自動出題してくれます。
むやみやたらに全部の問題を何度もやり直すことなく、的確に苦手を取りこぼさない学習が可能です。
公文やほかのプリント教材の場合、親や教師が細かく観察していないと、子供の苦手ポイントはつかめません。
忙しいご家庭の場合、毎日の学習を横で見ていることは難しいですよね。
Risu算数であれば、子供が1人で取り組んでも、間違いの履歴からつまずきを把握し、復習問題の時につまずきにフォーカスして出題してくれるのです。
この点で、共働きで忙しくて、子供の学習を毎回横で見てあげられないご家庭には強い味方です。
学習状況に応じて講師からフォローが届く
タブレットの学習状況はすべて、サーバーへ送られ、チューターが把握しています。
学習期間があくと、「もう10日間学習していません」など、メッセージが届く仕組みになっています。
無学年式・やる気次第でぐんぐん先取りできる
クリアできたステージが増えるにつれて、
選べるステージも増えていきます。
公文算数のように、「この単元の次はこの単元」と進捗が決められていません。
意欲的なお子さんにとっては、自分で学ぶ単元を選べるようになっている点が素晴らしいです。
公文のように、早く先へ進みたいのに、すでにできるところを2度、3度繰り返しやらされることもありません。
算数が得意科目になる
本当に思考力がつくかは疑問ですが、
教科として算数が得意になるのは間違いなしです。
しっかり取り組むことで、受験算数で求められる学力はカバーできます。
難関校の合格実績もありますし、四谷大塚やSAPIXでも利用者が上位の成績を出しています。
辛口で書いてきましたが、コンセプトは本当にすばらしく、今後の改善を期待したい算数教材です。
開発者の方が書かれた『理系が得意な子の育て方』という本も、商品の宣伝になっていない点と内容ともに、素晴らしかったです。
ですが、体験してみて、息子にはRisu算数より公文がいいなと思いましたし、
併用する必要性も感じませんでした。
その理由を次にお話しします。
うちは公文算数を選んだ【併用は不要】
前提として、うちの家庭環境は、
共働き(夫も私も自営業)
私は完全在宅勤務で、朝晩の学習をサポートする余裕はある
となります。
Risu算数の口コミがあまりに多くて、
正直どうなの?と思って体験してみましたが、
「息子には公文算数+通塾+市販教材を続ける方が力がつく」というのが
私の結論です。
冒頭でも書いたとおり、判断基準は
便利な解法を先に教えるか、教えないか、につきます。
Risu算数をこのまま使用すれば、先取りできて、算数が得意になるかもしれないですが、
その「得意」が、本当に考え抜いたものになるか疑問でしたので、本契約はやめました。
Risu算数では、
となります。
算数が得意になればよいと考えるご家庭にとっては、これでOKです。
一方、私が重視するのは、
試行錯誤・苦労による発見の喜び>>>>算数が得意になる
「まず自分でやってみる⇒試行錯誤する⇒解法がわかる」というプロセスが、算数教育の軸だと思っています。
Risu算数は低学年部分しか体験していませんが、今後も解法を先に教える単元があるかもしれないと思うと、Risu算数を本契約する気にはなれませんでした。
一例ですが、公文算数では先生は基本、教えません。
12×3のような、2桁×1桁の問題が初めてでるときは、
12×3=12+12+12
と下にさりげなく書いてあるだけです。
12×8のような、繰り上がりのあるの2桁×1桁の問題が初めてでるときも、説明すらありません。
繰り上がりを書かないで取り組むことで、息子のワーキングメモリーが日に日に強化されていくのが、横で観察しているとわかりました。
※公文ではすべての生徒が繰り上がりを書かないわけではありません。先生が難しいと判断した場合は書いています。
ここまで読まれて、じゃあ公文算数とRisu算数の併用はどうなのだろう?という疑問もでてくると思います。
公文算数との併用はナンセンス
Risu算数と公文算数の併用は不要というのが私の結論です。
Risu算数+学習塾/市販教材
公文算数+学習塾/市販教材
はアリだと思いますが、
Risu算数+公文算数を併用する必要はないと思います。
2教材の教え方のコンセプトが違うので、併用による相乗効果よりも、弊害になるのではないかと思います。
また、内容的に重複しますので、金銭面での無駄が生じます。
併用すると、教え方の違いによる子供の混乱を招くほか、取り組む問題数が増えることによる負荷が増えますので、どちらかにしぼってあげるのが子供にはいいです。
特に、公文算数は問題数が多いです。
公文は通常、1日5枚~10枚のプリントが宿題となりますが、たとえ3枚に減らしたとしても、Risu算数でも同じ問題をやりますので、併用するメリットは感じません。
併用することで、どちらかが続かなくなったり、余計に教材費用を払ったりと、無駄が生じてしまう可能性があります。
Risu算数の受講で迷ったら選択肢は2つ【本質論】
Risu算数がご自分の子供にとって必要かどうか?
見極める方法が2つあります。
- ①算数教育の識者の考えを学んでから判断する
- ②Risu算数を体験する
簡単なのは②ですが、私は①⇒②をお勧めします。
実際に、わたしも①⇒②のプロセスで、子供にRisu算数は必要ないと判断しました。
【方法①】算数教育の識者の考えを学んでから判断する
私は子供の教育については、
個々の世間的に成功したとされる事例・先輩ママ/パパの経験談よりも、
たくさんの子供たちに接してきた教育関係者の意見を参考にしています。
(だから、私の記事もあまり参考にしないでくださいね!)
個別の事例は、その方の場合は…という前提つきですが、
講師など教育関係者の本は、かなりの数の子供たちに接してきたうえで、共通項を取り出して抽象化されたアドバイスを紹介されていますので、より参考になると思っています。
Risu算数のタブレットを体験する前に、下記の3冊を読みました。
いずれも算数教育の第一人者といえる先生方です。
これを知らなかったら、真逆の算数教育をしていただろうなと、ゾッとすること・(もっと早く知っていればと既に)後悔することもありました。
最初の2冊は、算数脳を開花させる秘訣・エッセンスが詰まっていました(感想はこちら)。
3冊目の「子どもの算数,なんでそうなる?」は、子供の算数における誤りは、必ずしも正す必要がないことがわかる本で、冒頭からすでに後悔することの連続でした(感想はこちら)。
もちろん、Risu開発者の方の本も読みました(感想はこちら)。
上記で紹介した最初の3冊はより本質的で、算数を超えて子供の人生にかかわる内容であるのに対し、4冊目のRisu開発者の本は、子供が算数を苦手にならないためにどうするか?に焦点をあてた本です。
Risuが気になる方は4冊とも読まれてみるといいですが、どれか1冊に絞るなら、最初は「数学に感動する頭をつくる」、次は「人気講師が教える理系脳のつくり方」or「子どもの算数,なんでそうなる?」をおすすめします(本当は全部読んでほしい!それくらい算数教育観が変わります)。
「数学に感動する頭をつくる」は今だと(2021年8月時点)、Kindle Unlimitedで読めます(無料体験だと1冊無料で読めます)。
【方法②】Risu算数を体験する
本を読む前に先にRisu算数を体験してみることも、もちろんできます。
Risu算数は月契約はなく、年間契約のみとなります。
通常は本契約しかできませんが、
公式ページからの申し込み時に下記クーポンコードを使うと、本契約の前に1週間無料でRisuタブレットを体験できます。
▶今すぐRISU算数を無料で試す(無料体験枠は無くなり次第終了)
お申し込み時にクーポンコード「rss07a」をご入力ください。
※お試しのみで返品する場合は1980円(税込)かかります。
※本契約すれば、1週間のお試し料金はかかりません。
うちも、体験をして子どもに合うか合わないかを判断しました。
お試しといっても、本契約と同じ問題が出題されますので、Risu算数の本当のレベル感をチェックできます。
実力テストをみていると、「AIが判断しているな~」と感心しました。
小1で申し込みましたが、問題をクリアする毎にどんどん難しくなっていき、4桁+4桁のたし算から、わり算など未習のものまで出てきて、やりごたえのある問題が出題されました。
いろいろ辛口で書いてきましたが、次にあてはまる方は試してみる価値ありです。
・忙しくて子どもの学習をフォローしきれない
・公文が合わなかった・退会した
・公文を嫌がっている
・すでに学校の勉強についていくのが難しい
・算数嫌いにさせそうだから、公文はやりたくない
・子供の意欲に応じて学ばせてあげたい
・1つの教材で勉強を完結させたい
・勉強のフォローをしてほしい
・先取りの単元を家庭で決めたい
最後にRisu算数の料金体系についてご紹介します。
Risu算数の料金をシンプルに解説
Risuは基本料金と利用料金の2つの料金が発生します。
※タブレット代は無料です。
基本料金
年額33000円(税込)
月あたり⇒2750円(税込)
利用料金
0~9350円(税込)※学習速度による
月にどれだけステージをクリアしたかで、利用料金が変わってきます。
1ステージ未満 | 0円 |
1.2ステージ未満 | 1100円 |
1.7~2ステージ未満 | 3300円 ★平均 |
2~2.5ステージ未満 | 5500円 |
3ステージ以上 | 9350円 |
※1ステージあたりの問題数は75~100問
スタンダードな料金は月約6000円
平均の利用料金は3300円ですので、基本料金とあわせて計6050円がスタンダードな月額費用となります。
公文の場合、1教科で約7500円しますので(教室によります)、そんなに割高ではありません。
3年間で6年分の算数を終えたら1日約200円
すごい頑張って月に3ステージ以上進めると、月12,100円と料金は高くなります。
高く感じますが、それだけ早く算数の学習が終わるということ。
受講期間は短くなりますし、解約後も復習用にタブレットは使えることを考えると、
かなりコスパのいい教材になります。
解約後にタブレットの返却は不要で、無料で問題を復習できます。
息子には必要ないと判断したのは、うちが公文算数で効果を感じられていることも関係しています。
公文算数が合わなかった方や、公文が合うか不安な方は、Risuをお試しする価値はあります。
公式ページからの申し込み時に下記クーポンコードを使うと、本契約の前に1週間無料でRisuタブレットを体験できます。
Risu算数は月契約はなく、年間契約のみとなりますので、お試し体験をお勧めします。
▶今すぐRISU算数を無料で試す(無料体験枠は先着順で無くなり次第終了)
お申し込み時にクーポンコード「rss07a」をご入力ください。
※お試しのみで返品する場合は1980円(税込)かかります。
※本契約すれば、1週間のお試し料金はかかりません。
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